『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』は、2023年公開の57分の作品。アンサンブルコンテストは、全日本アンサンブルコンテストのことであり、少人数で演奏時間が5分以内の吹奏楽部の一部の構成員を想定したコンテスト。これまでの本シリーズの作品が「全日本吹奏楽コンクール」を部員全員の究極の目標として描いていたものとは異なり、アンサンブルコンテストの紹介にもなっている。(ちなみに、どちらのコンテストも全日本吹奏楽連盟が主催する)。
本作の他の見どころは、①主人公・黄前久美子がはじめて事実上の主役として活躍する作品であること、②楽器として打楽器のマリンバの美しい音色と他楽器と合わせるための「呼吸」、③シリーズ他作品の主役クラス(例、「リズと青い鳥」のオーボエの鎧塚みぞれ)がカメオ出演すること。
マイナス点としては、①本シリーズの他作品では、コンクールの演奏自体が魅力であったのが、本作ではコンクール自体は結果のみしか見せられていないこと。②作画として、登場人物のすべての頭部に「天使の輪」が描かれているのは違和感(髪がボサボサの音楽教師にまで「天使の輪」があるのは奇妙)。③黄前久美子のアップの横顔(瞳が強調)が多用されていること。④宇治川などの地元の風景が短い数場面しかでてこないこと。