のん

風の谷のナウシカののんのレビュー・感想・評価

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
4.5
宮崎駿の全てが詰まっている

もはや説明不要の宮崎駿の代名詞ともいえる『風の谷のナウシカ』だが、劇場で観ると、テレビ放送では味わえない段違いの迫力がある。


なにより王蟲や巨神兵のその凄まじい巨大さ。何度も観てきたはずなのに、スケールがまるで違うような感覚になる。これが宮崎駿の本来の意図したものだとすると、テレビ放送ではなく、これを機に定期的にリバイバル上映するほうが良いのではないかと思う。


傲慢な人間を嫌い、自然に対して畏怖の念を抱き、そして兵器が大好きという矛盾に満ちた宮崎駿だが、不思議なことにこれらの要素が互いに邪魔をすることなく絶妙なバランスで成立している。


映画は全7巻にも及ぶ原作のうち2巻までの内容だが、2時間のエンターテイメントとして巧みに緩急をつけながら、観る者を惹きつけて離さない。これぞ天才の為せる業だろうと思う。


後の宮崎作品に通ずる全てが詰まったアニメであり、その後のありとあらゆる映画や漫画に影響を与えた大傑作。大スクリーンで観るとまた違った趣がある。
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