小さい頃から何度となく観てきた作品。
よく宮崎駿さんがおっしゃられている「人間なんて、滅んだほうがいいんですよ」を垣間見た。
覇道で世界を制覇しようとするトルメキアのクシャナ。
王道と対話で世界と渡り合おうとするナウシカ。
この2人が対比的に描かれ美しい。
身投げして、神の怒りを鎮めるナウシカの姿は、古来の神話を思わせる。
機械文明と謎の少女の対比のイメージは、後のファイナルファンタジー6にも受け継がれているように思う。
悲しくも、壮大かつ雄大な久石嬢メロディ、宮崎駿のメカデザイン、ナウシカの神話性、庵野秀明の爆発と爆縮の作画、どれも素晴らしい瞬間ばかりだ。
改めてクシャナと職業軍人・クロトワのかけあいが妙に人間的で好き。
「うだつの上がらない平民出に、やっと巡ってきた幸運か?それとも破滅のワナか?」
成長して観ると、大海襲を前に諦める大人と同じ気持ちになっていることに気づき、いかんと思った。
腐海とマスク。人間が経済活動をやめて綺麗になった中国の大気、ベネチアの海。
なんとも考えさせられる。