くわまんG

ザ・キラーのくわまんGのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
4.0
あらすじ:人生とは、自分の歩いてきた道のりでしかない。この非情な事実を、独りで受容できるか?

俺は殺し屋。仕事を成功させるための鉄則は三つ。目的の単純化、ルーティンの遵守、心拍数の抑制。これさえ守っていればいい。これでいいはずだ…というお話。

一見マシンのようで実は人間くさい主人公が、自分を理解して受け容れるという、割とよくあるストーリーなんだけど、演出と切り口が独特で飽きなかった。

監督が違えば「人は誰かのために生きるから強く優しくなれるんだ!人生は素晴らしい!」になるだろうけど、この人が作ると「人間、自分だけのために生きられるほど強くはない(=誰も愛してくれない状況に耐えられない)から、誰かのために生きるしかない。そのせいで心は弱くなり、誰かの助けが必要になるが、仕方ない。」といった語り口。かなりひねくれてるけど、だからといってネガティブでもないと思う。

大筋にほとんど影響しないくせに、アクションや会話劇がこれ見よがしに凝ってるのも良かった。