ハル

米国音楽のハルのレビュー・感想・評価

米国音楽(2022年製作の映画)
2.9
ミキシング(サウンド)エンジニアやっていた人が納品間際にマスターテープをすり替え、デモ音源がCDとして出来上がってしまう。
約20年後、当時全く売れなかったデモ音源が海外でブームとなり、それをメディアで取り上げる為、あの時裏切ったやつを探そう!というのが序盤の展開。
なお、彼はそのときから姿を消している。
ドキュメンタリータッチだけど、全てフィクション。

冒頭、インタビュー形式で経緯についての説明が入り、その後は「なぜ彼がそんなことをしたのか」にフォーカスされていく。この件、分かりづらい用語の雨嵐な為、まるで伝え下手な専門家の説明…
そのせいか嫌な予感で一瞬頭は埋め尽くされるが、エンジニアの話になってからはテイストもガラリと変わりそこからが本番。

回想シーンに切り替わりナオキ?(サウンドエンジニア)の一日が描かれていく。
流れを見ていくと彼が本当はきちんとマスターテープを納品し、仕事を完了するはずだった事も伝わってくる。
モノクロの会話劇を全て見終えた時「ま〜そうなる気持ちもわかるかなぁ」といった気持ちを覚えた。
若者ならではの葛藤と挫折、人に認められる喜びで再認識してしまう本当の願い。
恋愛っぽい要素も入っていて青春的にも映る。

ただ、それだけといえばそれだけの話し。
セット上映の『sleepLess』同様、キャストのファンでなければ退屈してしまう方が多いだろう。
ショートムービーだから仕方ない気もするけれど、そもそも扱う題材が玄人好み過ぎて触れにくい印象。
ハル

ハル