MALPASO

赦しのMALPASOのレビュー・感想・評価

赦し(2022年製作の映画)
2.7
映画『赦し』

オープニングとラストの俯瞰ショットがいい。しかーし、台詞、展開が稚拙過ぎ、諸々リアリティが無さ過ぎる。

監督はインド生まれのアンシュル・チョウハン 。役者の台詞回し、演技演出がどうにも気になる。
主人公たちの家のセットもリアリティがなく、裁判のシーンも安っぽい。

被害者側の両親の心情の変化も唐突で説明がつかない。

松浦りょうがものすごいインパクトあるんだけど、それだけで活かされていないし、年齢的に不自然。

残念‼︎

他のユーザーの感想・評価

nana

nanaの感想・評価

3.5

映像が美しい。

独特の存在感を放つ加害者役の松浦りょうさんの表情に時折ゾッとした。

これだけレビューしたいのにネタバレを気にして書けることが少ないっていう映画は珍しい。
それほどまでに凄い作品だった。

殺した側と娘を殺された側。
対立する者同士のそれぞれの事情が浮き彫りになるにつれ、「本当の被害者って?🤔」と投げかけられる。

家族が亡くなる
それだけでも当然残された側には大きな喪失感だ。
まして殺人、となれば夫婦関係も日常も、全くそれまでとは異なる風景の中で生きていかなくてはならない。

憎悪
疑問
赦し

12テイク重ねたインパクト大のジャケ写の意味。

幸福な人が誰1人出てこない。
「赦し」
乞うべき人物は1人ではなさそうだ。


~~~舞台挨拶 ~~~
監督
皆さんのおかげで信頼を築きながら撮影が出来た。
素晴らしいキャスティングに恵まれた。
原作が出来た4~5年前には作ろうと思わなかったが、コロナで知り合いが亡くなったりして色々考えてからこれを映画に作ろうと思った。
インド人だが日本に住んで10年以上。日本の映画として皆さんに見てほしい。

尚玄さん
以前から監督のファン、念願の作品。
20年の俳優生活の中で1番辛い役どころだった。
義足のボクサーで痩せていたので監督からのリクエストで10kg以上太って臨んだ。
負の連鎖を止めるにはどこかで赦す事が必要。
相手の立場になって考える、そして進む。

MEGUMIさん
1番やった中でキツイ役
理不尽な目にあった時にどう乗り越えるか考えた。
人間としての人生の中でも濃い時間だった。
スタッフが外国の方でコミュニケーションが大変だったが楽しかった。
濃厚なデティールを積み重ねて行った。
色んな国の人達(スタッフ)と人を赦すと言うことを問いかけた。


松浦りょうさん
オーディションで勝ち取った役。
ネットで映像などで役作りをした。
尚玄さんが口をきいてくれなかった(役のため)
本当に嫌われてるかと思った。
置かれている環境によって捉え方が違う作品。

藤森慎吾さん
とても素敵な震える映画
役を勝ち取ってやった(笑)
ずっとMEGUMI女優としてさんが辛そうだったので凄いと思った。
緊張感のある現場だった。
グッと尚玄さんが近づくとしんどかった。
凄く美しい映像がちりばめられている。
para

paraの感想・評価

-
テーマ、目の付け所は素晴らしいけれど、、、



学芸会レベルになってしまったのはもったいないなあ。
予算の関係だろうけれど、鑑賞中もその後も誰が演じたら適役かずっと考えてしまった。
ポスターからと前作からで期待していたんですが、、、
加害者少女役がとても良かっただけに残念。
判決結果はあくまでも客観的な判断なだけで、罪を犯した側も、被害を受けた側も、自らでどう受け入れるかを決めるしかないことを痛感させられた作品でした!
当事者の苦闘する姿を見事に演じた俳優や制作スタッフも素晴らしい!
良作でした!
H

Hの感想・評価

-
大きなことを話すのであれば何かもっときっかけが欲しいような気がした。ただ個人的に現夫の言動が登場人物の中で1番恐ろしかった。辛さの大小ではなく喜びだったとしても、他人のことを理解できると思うのは暴力的じゃないかな‥
 
Taku

Takuの感想・評価

3.5
アンシュル・チョウハン監督の過去二作が主演俳優の魅力を引き出していたように本作の松浦りょうの存在感も凄い。刑の妥当性が主題かつ代理闘争と化した法廷での無力感と、そもそも彼女に罪を犯させた環境に対する自身の無力感を静かに表現しながら、その鋭い眼光は何かを必死に訴えている。十分反省したように見える被告は無力であり、だからこそ彼女を"赦せる"か否かが真に突きつけられる。
惜しいと感じるのは、そういうテーマに対する追求が中途半端になっている気がするところ。回想と被害者家族のサブプロットがそれを邪魔してしまっているように見えた。また、『コントラ』では合っていた抽象的な作りは、法廷劇である本作には合っておらず、リアリズムが欠けた浮いた雰囲気になっている。結果的に、描きたい内容に対して軽い印象が拭えない。
登場するすべての “大人” それぞれの歪んだ正義と、殺人犯でありながらも聡明な夏奈とのコントラストがあまりにもくっきりしていて。その構成上?殺人の重み・罪の意識をリアルタイムで感じきれないまま、夏奈に寄り添うしかないような展開に心の置く場所難しーーー!となる。鑑賞後ゆっくり噛み砕く感じ。
それにしても、りょうちゃんの視線の鋭い事!素晴らしいな。赦しをめぐる本作は今一度、倫理観を問う作品でした。今を生きる人へ。
ジーハ

ジーハの感想・評価

3.4
2023年度
大阪アジアン映画祭にて・一本目。
(1週間遅れのレビュー)
3月18日から劇場でも公開される日本作品。
監督は日本在住のインド人・
アンシュル・チョウハン。

重いテーマだけにエンタメ性はない。
ただキレイごとばかり並べて作られた
作品ではなかったと思う。
夏奈役の松浦りょうがとても魅力的。

・同級生の夏奈に娘を殺された元夫婦。
・17歳で同級生を殺し7年間服役している夏奈。

夏奈に再審の機会が与えられたところ
からストーリーは始まる。

どんな理由であれ人が人を殺めることは
絶対に許されない。
でも夏奈は未成年犯罪で時々耳にする
「殺すなら誰でもよかった…」の
サイコ側の人間じゃない。
彼女は殺人を犯すきっかけとなるある事実
を誰にも告げず声を上げることなく、
処せられた刑を自分への戒めとして受け
止めていた。


そんな彼女とは対象的に、
ここの大人たちは、
現実的逃避の言い訳と矛盾だらけ。

7年経った今、別々の生活がある元夫婦。
夫・克は娘の死から立ち直れないといい、
酒浸りの日々。しかも国からの被害者給
付金で生活をしてるありさま…

妻・澄子は再婚しながらも、再審中に精神
が不安定になり元夫と関係を持ってしまっ
てたし、澄子の現夫も「君のため」と言い
ながら、嫉妬と偽善を彼女に押し付けていた。

夏奈の弁護士は正義のためと言いつつ
再審の成功報酬のことしか頭にないし…

でも大人は歳をとってるだけで、
人間としては完璧なわけじゃない。
嘘つきで、弱くて、幼稚だったりする。
そこはリアル感があり、

逆に、若い夏奈がクレバー過ぎる!
自分が犯した罪との向き合い方、
被害者家族への贖罪意識、
大人過ぎて、、この辺はちょっと
リアル感が薄かったけど、、
よく言えば、彼女の聡明さが
大人たちのチープさが際立たせて、
裁判以外の様々な問題をわかりやすく
浮き彫りにする監督が意図する演出だ
ったのかもしれない。

個人的にはラストに若干雑さを感じたけど、大人は問題だらけだった夏奈の境遇に気づいてあげられず、法律は彼女の罪を裁いただけで結果何も誰も救えていない法の不的確さと無力さとか…
色々と考えさせられる作品ではありました。

夏奈役の松浦りょうさん。
舞台挨拶に来られてましが、役とは違う(笑)
笑顔が優しい華奢で可愛い女性でした!
化けるなぁ〜改めて女優さんですごい★
まさ

まさの感想・評価

3.3
予告そしてフライヤーの女性、加害少女役の松浦りょうの表情が気になり鑑賞。同級生の少女の命を奪った罪で7年もの間服役している少女の再審の行方とともに、少しずつ積み上げられていた被害者遺族の平穏が軋んでいく様を描く。そもそも7年後の再審という極めてレアな設定はさておくとして、裁判シーンの作り込み、被害者遺族の心情描写、とりわけ劣情をやや際立たせる描写など、随所に覚えた違和感が共感や没入を難しくしてしまった。それでも映像の美しさ、松浦の演技は良かった。テーマ性を期待してしまったのがいけなかったかな。
ktkmkihr

ktkmkihrの感想・評価

3.8
脚本、展開の物足りなさに歯痒さを感じるも、要所で演技の素晴らしさに惹かれるところがあり良かった。

夏菜役の松浦りょうはまた違う作品で観てみたい。今後にとても期待している。
arch

archの感想・評価

2.8
被害者と加害者、司法や道徳上における簡単には揺るがない立場。それを「イジメ」という要素が発覚することによって大きく変化する、そこに本作の意図がある訳だが、上手くいっていない。

1つには「観客は全てをクリアに知りすぎている」という所。刑務所内でトラウマに苦しんでいる姿を見ていること、そしてどうやら被害者家族は知らないということ、その事実を観客が早い段階で知っていることによって「映画的」な面白さは損なわれている。これは全体に言えることで、観客の中で確定していること真偽で登場人物達が揉めるシーンへのノレなさ。ほかにも「分かる、分からない」ということの不透明さら言葉の一方的な性質。その辺を乱暴に扱いすぎていて、事に対する解像度が下がっている。

イジメの発覚というツイストを大事にしすぎた、そして被害者であった娘が加害者だったという事実に、「裁判を降りる」や「同情」という形でしか向き合ってない、言わば逃げてしかないという終わり方には誠意を感じない。
その先を見せてよという映画だった。
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