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赦しのjuuuuのネタバレレビュー・内容・結末

赦し(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

久々のアップリンク吉祥寺
開場後、観客が席に着いた後に清掃が入っていたのがまず気になった。人手足りてないのかな…まぁいいや。笑

序盤から妙に小気味良過ぎるカット割りが気になる。「もうちょいゆっくり観せてくれてもいいのに」なんて思ってた。
でも途中から、この『ただ観せられてる』ような淡々としたカットの連続(事実を並べられたような)は、なるべく第三者的フラットな視点で観る為の配慮でもあるなと感じた。

このテーマでは、台詞にも出てきた「感情論(感情的)」というものによって観客の心が大きく左右されるからだ。

序盤から主人公の寄りなんかを少しでも長く映せば、どうしたって意味が生まれるし、感情移入という面で観客は飲まれる。それも尚玄さんと松浦さんのビジュアルが強いが故に尚更。だからこそ法廷でのMEGUMIさんの単独ロングショットが印象的
そんな意味で、非常に繊細な映画であると認識した。

加害者の回想が序盤から度々差し込まれるが、いじめを受けていた事実が終盤まで提示されない事は脚本的な都合が感じられて引っかかってしまった。この点は物語が展開していく過程で、観客的にはどうしても煩わしさを感じざるを得ない部分だと思う。
もし中盤で明らかにしていたとしたら、更にもう一つ奥深い所へ到達していたであろうが、諸々難しいのも理解できる。

個人で言えば松浦さんのハマりっぷりは凄まじく、この作品への想いが痛々しい程伝わった。あの目ができる俳優は、果たしてどれだけ日本にいるのだろうか…

いずれにせよ、この日本ならではのテーマについて再度考える時間をインド出身の監督が与えてくれたという点で価値のある一本でした。
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