サバイバルものは、その役者の一人芝居を堪能するジャンルだと理解しているから、あなたがウィリアム・デフォーマニアなら必見(遠藤憲一でリメイクも可)。
現代美術と共に閉じ込めれたデフォーの喜怒哀楽オンステージを愉しみながら表現とは、文化とは、芸術とは、みたいな側面も多少はあったり。
次第に狂っていき、名のある美術品は破壊され、生き延びるための捨て身なデフォー自身が新たな創作物として、その部屋の一部になっていく。
芸術なんてものは、キワで生き抜く大衆にはなんの価値もない。人目に触れることさえなく、金のためだけに売買される飾り付けられた美術品、その無意味さ、バカバカしさ、だからこそ「映画」で徹底的にブッ壊してやろうと、その作り手の意気込みは良し。既存の評価に依存することなく、新たな表現を追求していく大切さ。
キチガイになったデフォーからのラストが美しくて、結構好きな映画だった。