ねこのみかた

さよなら。いつかわかることのねこのみかたのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

娘二人があまりにも可愛くて、それ故に悲しかった。

これはもう…親が身勝手すぎ。

兵士である母親の戦死を子どもたちに伝えられない父親、子どもがいるのに兵士という危険な仕事を続ける母親。

父親はともかく母親に対してそんな風に思うなんて…って言われそうだけど、子どもにとって母親というのは父親以上の存在だと思う。
命をかけて仕事をしたいなら子どもは産むべきじゃないと思うし、子どもを産んだ以上、何があっても子どものために生きなければならないと思うし、そうであるならば危険な仕事は辞めなければならないんじゃないかと思う。

これは個人的な価値観からくる考えだけど…。

母親が戦地に赴くことで残された子どもたちの不安はいかばかりかと思うと胸が痛む。

事実この長女は、そのことで悩み、夜眠れなくなってしまってるじゃないか。

父親も、母親が戦死したことを話せないまま旅に連れ出して誤魔化そうだなんて…しかも自分がどう話せばいいのかわからないという臆病な理由から…。

定職に付かず親の世話になってる弟のことを悪く思ってるようだったけど、子どもたちにちゃんと話さなければと諭す弟のほうが、よっぽどまとも。

自分の気持ちとか自分の都合じゃなくて、親ならまず第一に子どものことを考えてほしい。
そういう意味で、この両親には少し嫌悪感を抱いた。

あと、父親が子どもたちを旅行に誘い、色々買ってあげたりテーマパークで遊びまわったり…なんかこれって一家心中する前の家族みたいだなって思って、ちょっと気まずかった。

それから、父親が母親の戦死を子どもたちに告白するシーンで、セリフがBGMにかき消される演出は、なんか中途半端でいまいちな気がした。
画期的という意見もあるかもしれないけど、やっぱりセリフがちゃんとあったほうがストレートに響いてきた気がする。

でも、最初少しギクシャクしていた親子が小旅行を通して心を通い会わせるプロセスはなかなかよかったし、冒頭にも書いたように、なにより娘たちが可愛くて、もう、それに尽きる。