母を亡くした悲しみをつよがりで弾き飛ばしながら、社会保障と自転車の盗み売りで暮らす12歳の少女のもとに、ろくでなしパパがふらっと帰ってきて...という話。「お〜これは監督ショーン・ベイカーだな〜」とまじで思っちゃったくらいカラフルな画の感じから台詞回し、テーマ性まで『フロリダ・プロジェクト』すぎてびっくりしたんだけど、違う人でさらにビックリ。こういうこともあるんすね。調べてみたら30歳のMV出身の監督で、なんか納得。ビジュアルや音楽使いもファッションもいちいち洒落てて、ウェス・アンダーソンの影響も感じて...みたいな。オリジナリティって突き詰めすぎると、同じような考えの人に逆に似ちゃったりすんのかなぁみたいな発見もあって、諸々興味深い作品でした。子ども主人公のワンダーな雰囲気もありながら、ちゃんと暗い部分も描いてて、初期衝動が詰まった作品。今作では内容というよりは、「このカットが撮りたい!」が先行していた印象もあったのでまた違うテーマの作品もめっちゃ見てみたい。それにしても、ハリス・ディキンソンってマジいい役者だよな...。バリバリのナイスガイだけど、時代を担う“情けない男”役者というか。