ジャイロ

顔のない天使のジャイロのレビュー・感想・評価

顔のない天使(1993年製作の映画)
4.3
理解できない修行。でもその先にはその修行の意味が分かる瞬間があって「この為にあったのか」「意味があったんだ」そうなるのかなって。

つまり

ベストキッドが始まるかと思った。

でもそうじゃないんだよね。なんかこう、なんていうか…無礼?主人公の少年が無礼千万。教えを乞うっていうのはさ、もっと謙虚じゃなくっちゃ。もしくはお互いにお互いを利用するくらいに狡猾で計算高くなくっちゃ。

う~んと思いながら観てた。

そしたら分かってしまった。

気づいてしまった。

お互いにお互いを必要としていたことが

ぶつかり合いながらお互いを理解していく。与え、与えられていた。お互いに欠けていたものを補い合っていたのだ。

(´;ω;`)ブワッ

無礼な少年の心境の変化。蔑んでいたことが間違いだったって分かる瞬間。それでも過ちを犯す若さ、愚かさ、後ろめたさ。

醜いと思い込んでいる自分の顔に、べったりとこびりついているやりきれない想い。孤独と過去を背負いながら心を閉ざして生きているマクラウド。

言葉で抉った傷が痛んだ

笑い合える瞬間が嬉しかった

傷つけ合い、赦し合い、そして絆が紡がれていくのが伝わってくる…

(TДT)

真実は時として人を傷つけるけど、真実だからこそ、乗り越えられるのかもしれない。不器用だなぁ。みんな不器用。まるで自分のことのように思えてしまうからそれだけでもうグっときてしまう。

しかも劇中のモノクロ映画、これ…ジョン・ウェイン、ハワード・ホークスの『赤い河』だ!!つい先日観たから鮮明に覚えている。間違いない。しかもラストの名シーンがっ!!これ、ネタバレも甚だしくない?とにかく加点です。こういうサプライズに弱いんです。+0.2点の加点!!異論は受け付けません。

残酷な真実。やりきれない現実。それでも心を通わせる二人の友情。

泣いた

後半、何度涙が頬を伝ったことか。

ラストなんか、涙をこぼしながら気づけば微笑んでいました。涙がしょっぱかった。ホント、いい映画だなぁ(´;ω;`)