「きれっぱしの愛」で興味を持ったアイスランドの気鋭フリーヌル・パルマソン監督の前作。
「19世紀にアイスランドで発見された、デンマーク人神父が撮影した7枚の湿板写真」にインスパイアされたとあるが、そんな写真を残すくらいだから、きっと心温まるいい話があったんだろうな、と性善説に基づくと想像してしまうが、それじゃおもしろくない。
そもそも人間性善説ならは、宗教は要らないのでは。
とことん、性悪説に拘った目の付け所が素晴らしい。
映像を見るだけなら、美しいと感じるアイスランドの風景だが、実際自分の足で歩いたならば、あまりに過酷な自然に心が折れそうになるだろう。
宣教の地に赴いても、その地の言葉なんて覚えるのは面倒だと思ってしまうだろうし。
「きれっぱし‥」でも見られた定点観測のショット、ジャンプカットと言うんですね、が今作でも多用され、監督らしいインスタレーションアートとなっていた。
宣教師ルーカスが転んで泥まみれになる顔もかなりアートなショットだ。
バイキングの時代に北欧から持って来た今では固有種のアイスランド馬がほんとうにこの国で愛されているんですね。
その実際に残されていた7枚の写真が見たい。
どこまで本作の撮影ショットと重なっているだろうか。