TAK44マグナム

必殺! THE HISSATSUのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

必殺! THE HISSATSU(1984年製作の映画)
3.0
中村主水をはじめとした「必殺仕事人」がベースの初の劇場版。
2時間の長尺ですが、基本としていつもの「必殺仕事人」があって、それをボリュームアップさせたような感じ。
敵となる六文銭の一味の不気味さや強さを前半でたっぷり描き、それに対抗する仕事人たちの悲壮感漂う決死の反撃がクライマックスで描かれるわけですが、その合間合間にはちゃんと主水とせん、りつの掛け合いも挿入して、テレビで観る仕事人の雰囲気そのまんまです。

江戸中の仕事人を殺して、仕事を独り占めを企む六文銭一派。
ついには主水たちにも魔の手が伸びます。
おりくによって敵の正体は知れますが危機は去らず、殺られる前に殺るしかないと仕事人たちが立ち上がります。

ギャグ要員の助っ人(候補)仕事人として、斉藤清六やたこ八郎、そして何と赤塚不二夫先生までがゲスト出演。
その対極として、凄腕の助っ人仕事人の片岡孝夫(現:仁左衛門)が凛々しい存在感をはなちます。

しかし、ハードなテイストで始まった割には、いざ戦ってみると六文銭一味は数が多いだけで意外と弱かったり、前半の猫の恨みをはらそうとする少女の件が物語と繋がっていながらも何故か剥離されたままでおなざりだったり(なので片岡孝夫の助っ人が唐突に感じられる)、必要ない部分でもギャグが入ったり、どうしてこうなった?的な残念箇所も散見されます。
個人的には初期のハードな必殺が好きなのですが、後期のファミリー向け必殺の緩さが好きな人にはちょうど良いバランスなのかもしれません。

特に、六文銭との決戦は、テレビ版のように仕事人ひとりひとりの「仕事」にスポットを当てているので、集団で戦う「戦争」のような雰囲気は感じられません。
これは好みの問題もあるかと思いますが、集団VS集団での戦いなのですから、細切れではなく、もっと一体感のあるバトルが見たかったです。
個人的には「裏か表か」みたいなのが緊迫感もあって好きなんですが・・・
まあ、これはこれで、勇次や秀の様式美を様々な工夫を凝らして魅せてくれるので楽しいですけどね。
勇次はあくまでクールに、秀はやっぱり水中戦があったり、お約束がちゃんと守られています。
加代は加代で、期せずして珍しく殺しを披露するのですが、これが完全にギャグでして、まさか生きるか死ぬかの決戦の最中にギャグを放り込んでくるとは思わなんだですよ(苦笑)

必殺ファンとしては、歴代のシリーズに出演経験のある俳優さんたちがたくさん出ていて、お祭り感が嬉しかったですね。
火野正平なんて、本人もこんな人なんだろうなっていうチョイ役でわざわざ出演しています。
あと、歴代のテーマ曲が要所要所を盛り上げてくれます。
次から次へと、「仕掛け人」や「仕置人」のテーマが流れるので、もうテンションがアゲアゲ状態です。
いや~、本当に恰好いい。中学生の頃なんて、半ば本気で必殺の世界に憧れていて、仕置人になりたかったもの(苦笑)

ひとり、覚悟をきめて道を往く主水の姿こそ、本物の強さと優しさを
兼ね備えたプロの漢(おとこ)なんだなあ・・・と、悦に浸って鑑賞いたしました。


テレビ放送、huluにて