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テトリスのKotaのレビュー・感想・評価

テトリス(2023年製作の映画)
3.9
“ゲームなんかに全てを捧げないで。”

88年ゲームの販売ライセンス調達で生計を立てていたヘンク(タロン・エガートン)は、ソ連のクリエイターが作った“テトリス”の可能性を見出し、ゲームボーイ発売間近の任天堂と組みながら携帯機用の世界販売権を獲得しようと奔走するが…。

実話。想像よりかなり面白かった!共産主義時代ソ連で生まれたゲームだから、ライセンス調達も一筋縄ではいかず、他のアメリカ企業も参戦してきて騙し騙されのスピード感抜群の展開だった。ライセンス調達における交渉の進め方と、契約書の重要性、定義や条件の明確化が大事って事。合意したのに契約寸前で破棄されたり、PCと家庭用ゲームの定義の違いに翻弄されたりと、リアルすぎるやり取りを観ているだけでも面白い。テトリスの開発者ではなく、その販売権を取ろうとする人が主役ってのも新鮮だった。

ヘンク本人が東京に会社を持ち、奥さんも日本人だったから東京が舞台のシーンが多く(撮影は絶対日本でしてないけど(笑))、タロンくんの拙くて可愛い日本語も聞けちゃうし、所々のテトリス演出も映画の雰囲気を作っていて良いです。
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