一人旅

地球爆破作戦の一人旅のレビュー・感想・評価

地球爆破作戦(1970年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジョセフ・サージェント監督作。

軍事用に開発されたスーパーコンピュータ“コロッサス”に人類存亡を賭けた戦いを挑む科学者の姿を描いたSF。
コンピュータの暴走というテーマのSF映画は他にも数多く存在する。本作も他作品同様、コンピュータから送られる無機質なメッセージと政府側の人間との駆け引きがメインに描かれている。だが、本作の面白いところは、人類を支配下に置きたいコンピュータのやり口にある。コロッサスの開発者であり全ての鍵を握る科学者の行動を逐一監視するのだが、科学者の業務上の行動だけでなく、食事、トイレ、シャワーまでプライベート全てを監視するのだ。それなのに、夜な夜な愛人をベッドルームに連れ込む時だけは特別に監視しないという変な人間臭さとコンピュータらしからぬ管理体制の詰めの甘さが、緊迫した状況の中で一定の“ゆとり”を生んでいる。物語に似つかわしくないコミカルな音楽も印象的で、深刻さと切迫感に支配されるべき場面にこれまた若干のゆとりを持たせている。
アメリカとソ連という製作当時の国際社会の二大巨頭の首脳陣が協力し合い、全人類共通の敵となったコンピュータと対峙するという展開は珍しいし、ある意味平和的だ。
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