まさ

はざまに生きる、春のまさのレビュー・感想・評価

はざまに生きる、春(2022年製作の映画)
3.6
発達障害を据えた作品としては、「こちらあみ子」という作品があったが、こちらは本人の生きづらさに周りが手を焼き、本人が孤立していく様子をわりとシュールに描いていた。本作も発達障害を真ん中に据えているが、周囲を振り回してしまうところも描きつつ、全体としては比較的ほっこり描いていた。本作では、グレーゾーンや「はざま」がキーワードになっていた。発達障害にせよ、グレーゾーンにせよ、私たちは自分のことを、カテゴリーやゾーンの内か外かという二者択一でとらえがちだ。しかし実際は白黒くっきり分けられるものではなく、皆、グラデーションの中にいる。皆どこかにこだわりを持っているし、他人の気持ちが分からないことだってある。自分は違うという捉え方から、自分もそういうところがあるかもしれないと捉えるようになると、世界の見え方や感じ方が変わるかもしれない。そんなことを感じさせてくれる作品。
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