東朴幕院

食人族4Kリマスター無修正完全版の東朴幕院のレビュー・感想・評価

3.6
高校生の頃に本作が日本公開されたのだけれども、あの串刺しショットの強烈さから、これは見てはいけない作品だと本能的に察して鑑賞を回避していた。この度、遂に頼んでいないが完全無修正版として好感される事となり鑑賞。
まず感じたのは、フェイク・ドキュメンタリーとPOVを巧みに組み合わせた様な作品で当時としては絶対に斬新な手法だったのではと思うね。フェイク・ドキュメンタリーであればモンドの帝王ヤコペッティが居たのでね。彼へのオマージュも感じられて好感持てたよ。
肝心な作品の内容としては、アマゾンのジャングルに存在するというカニバリズムの慣習をもつ種族とのコンタクトを目的とした冒険撮影隊の四人の若者たちの顛末を描いている。彼らの行方が不明となった為、大学教授のモンローが現地ガイドを雇い探索をするがその木族とコンタクトするとそこで殺害された様であると分かる、何とか残されたフィルムを回収するまでが前半。NYに戻りTV局のメンバーとフィルムの検証を行うが…。
その中にあるのは、現代社会からの訪問者である若者たちのやりたい放題の暴挙であった。
ストーリー展開としては、良く出来ていると思うが、一番来たのは動物への虐待だ。亀・ネズミ・野豚・リスザルとどれも酷い行為で70年代だとギリギリやれたという事だろうか。それにより生々しい雰囲気になったのは間違いないが複雑な感情に襲われたものだ。
最後のどっちが野蛮な民族なのかという問いもハマる所と取ってつけた感が混じり合ったのが印象的だ。
東朴幕院

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