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カンダハル 突破せよの福福吉吉のレビュー・感想・評価

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
イラン国内に潜伏中のCIA工作員トム・ハリスは核開発施設の破壊工作に成功するも、CIAの内部告発によりトムの正体が全世界に報道されてしまう。あらゆる勢力からターゲットにされたトムは脱出を図るべくカンダハルの空軍基地に向かうのだが...。

◆感想◆
イラン国内で破壊工作を行ったCIA工作員が身元を全世界に報道されたためにあらゆる敵対勢力から狙われる中、決死の逃避行を行う姿を描いた作品となっていて、CIA工作員とその通訳の2人だけという孤立無援の中で活路を開こうとする緊迫感に満ちた展開が楽しめました。

CIA工作員のトム・ハリス(ジェラルド・バトラー)は極めて優秀な人物として描かれていて、逃走中でも状況判断が速く、臨機応変に対応していくので彼の優秀さが本作のストーリーの基盤として成り立っていました。一方、通訳のモハメド(ナヴィド・ネガーバン)は戦闘能力が皆無の一般人であり、完全に被害者となっていて、観ていて可哀そうでしたが、次第にトムとも親交を深めていく姿はモハメドの人の善さを現していたように思います。

ストーリーのテンポは良く、序盤にトムの正体がバレてからはひたすら逃亡劇が続くのですが、多くの敵対勢力が絡んできて、容赦のない攻撃が続くので観ていて緊迫感が途切れるところが無くて、最後まで一気に観ることができました。ストーリー後半にトムたちが囚われる場面もあるのですが、その時間も非常に短いのでストーリーのアクセント程度に収まっていてストレスを感じませんでした。

ラストは予想通りで良かったと思います。この作品では予想通りになってもらわないと観ていて気持ちが晴れないので、望む形で終わったと思います。

ジェラルド・バトラー演じる主人公のタフさを軸にしながらも、中東の様々な勢力が絡むことで尋常ではない危険と隣り合わせの逃亡劇にしていて面白かったです。

鑑賞日:2025年3月17日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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