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イルマーレのkotchanのレビュー・感想・評価

イルマーレ(2006年製作の映画)
4.4
素朴な純愛、微笑ましい交流を描いたオリジナル版に比べ、よりリアリティを追求したリメイク版の今作は恋愛色が強い印象。異なる時間軸(2004年と2006年)に生きる男女の不思議な交流、心を通わせ愛情が芽生えていくプロットは同じながら、構成を再構築して現実感のある"時空を超えた愛"に昇華させた作品の完成度の高さに唸らされる。

原題はThe Lake House
「海辺の家」から「湖畔の家」へと変わり、裸族は絶対住んじゃダメな全面ガラス張りのスケルトンハウス。玄関までの一本道はオリジナル版ではデスロードだったけど、手すり付きの安心設計にアレンジ。大きな家具や大型家電を運び入れるのが大変そう(余計な心配)。
ひっそりと佇む湖畔の家からは孤独や寂しさ、全面ガラス張りのつくりには空虚な心、あるいは解放への欲求だろうか、そんなものを感じる。父との確執、医師としての苦悩、募る想い、逢えないもどかしさ、2人の内面を象徴しているように思える。ひとりでは心は満たされない。でもふたりなら…
この家がきっと愛情で満たされる未来を、ラストカットが予感させてくれている。

大ヒット作『スピード』以来のキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックの共演。髭なしキアヌは久しぶりの気がするしやっぱ男前。こんなに目ぇ小さかったかな?のサンドラは胸元開いた服装がやけに多くて、谷間と字幕を行ったり来たりで困っちゃう(困ってない)。
リメイクの有利性を生かし、オリジナル版の魅力を上手に受け継いでいると思う。巧みな再構築とリアリティの追求による恋愛模様や心情描写は、オリジナル版に足りなかった部分を補い明確な色合いの違いを生み出している。リメイクのお手本のような作品。
ただ、2つの時間軸が入れ替わりながら更に時系列が前後するためストーリーの整理が少し大変。初見だとややわかりにくいのが難点。

オリジナル版にもリメイク版にもそれぞれの良さがあって僕はどちらも好き。キアヌが出てるからリメイク版がちょっと上かなぁ♡
ラストはオリジナル版が好み(*´∇`*)
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