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異端の純愛のmasatのレビュー・感想・評価

異端の純愛(2023年製作の映画)
2.1
かつての井口の臭いは感じた。
スコープサイズを(昨今の下手な輩とは違い)使い熟し、手練れたフレームの中に、充満する爽やかな異常さ。
だけども・・・爽やかな異様さ成らず、固く成らない、引き込まれない、呑み込まれない・・・
身近に感じられないのが残念。
2023年に表現するのであれば、時代の変革期を通過した、ニューノーマルな時が訪れてもなお、この都市には、この国には、こんな眼に見えない人々が、溢れ返っている、という俯瞰の目線が欲しいところ。だから人間は変わらない、と抜け抜けと押し付けて欲しかった。かつての様な“見世物趣向”だけでは、その内在する哀感には、最早いまの時代では辿り着けない。
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