ピートロ

逃げきれた夢のピートロのレビュー・感想・評価

逃げきれた夢(2023年製作の映画)
3.8
上映後、二ノ宮隆太郎監督と矢田部吉彦氏によるトークショーあり。
4年前の『枝葉のこと』『お嬢ちゃん』のトークショーでも監督は自作にたいする解説を徹底して避けていたが、それは今回も同様でタイトルの意図すら「決めつけたくない」と濁していた(その姿勢が好き)。
観る人それぞれの解釈を大切にしていることは本作の内容からも伺え、詳細な情報、踏み込んだ説明はない。
登場人物たちはお互いに踏み込まず踏み込ませず、言葉は上滑りし、わかりあえずに檻が溜まっていく。
題材も演出も地味な作品ではあるけれど(スタンダードサイズだし)、あとからじわじわきそう。

他のユーザーの感想・評価

大阪古着日和、波紋に続く光石研フィーバー。
主演でも最高なんだよなぁ。
この監督の作品は合わないんだな
と確信
そいやデビュー作も全く理解出来ず文句たらたら書いたけど忘れるためにレビュー消したのだった

評価高いんですけどね
見方が違うってこと

光石研の一人芝居に近い感
松重豊も出てるから期待したんですけどね


何か起きるかとずっと待ってても何も起こらず終わっちゃった(ハイ、自分には何も響かず)
ある種の胸糞作品として認定

矢鱈の歩くシーンを追っかけるのは何故?
ま、イイです
もう忘れることにしたから
旅子

旅子の感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

ファーストシーン
先を見つめる一瞬の間に
捉えるべき何かと空白を感じた
だからたぶん泣いてしまった

気づいたら
泣かせてもらっていた
幾度も

静かに見つめ直していく
そんな誰かのためへ贈る映画

とっても良かった
masat

masatの感想・評価

2.9
スタンダード・サイズ・・・
予定調和、説明過多で四角四面な凡百ある凡庸な現在の日本映画の中にあって、このフレームサイズが眼の前に現れただけで、ただそれだけで、挑戦性を感じ、少し高揚してしまう自分も、やはり汚染されている・・・と自覚せざるを得なかった。

その“狭い”フレームの中で、予備知識がカンヌ以外に何もなかった故に、一体何が始まろうとしているのか?やがて、何に向かっているのか?、なんの説明もない本作は、緊張の中、グングン引っ張っていく。
これぞ映画のスリルであり、(今更言うまでもないが)基本である。

さあ、向かっていくのは、一人の男の、
さあ、どうしようか、
と言う他愛もない現在であり、
いよいよ“人生”の終盤を廻り始めた男の日常である。
そんな他愛もない空間を、男の(まるで)案内の元、観客は巡って行く、まるで本編後半のシーン、教え子に自身の過去の場所を押し付けがましく案内するかのように。
だから、教え子が言うように“どうでもいい”話なのだ。
なのに何故にこれほど惹きつけられるのだろうか?

クライマックス、喫茶店での“決闘”シーンなんかは、マジで手に汗握る。
そんな決闘の後、ラストに映る最後の顔は教え子の顔であり、その切り返しは、ここまで引っ張り回してくれた主人公の男の顔ではなく(!)ラストカットはその後ろ姿の引き画、ただそれだけなのであった。この潔さ、引き際の見事さよ。この非凡さが、全編に渡って、この人生の地味な物語を、映画的に、即ちダイナミックに魅せてくれるのである。

他愛もない日常、どこにでもあるドラマを、奥ゆかしくもダイナミックに魅せる、“見世物”としての映画の中に活かし、観る者を昂揚させる、これこそKUROSAWAではない方の、今や失われた日本映画のストイシズムである、と久々に思い出した。

『PLAN75』(22)からグザヴィエ・ドランの作品などを手掛けたプロデューサーや『すずしい木陰』(19)のプロデューサーたちの功績と挑戦は大きい。少なくともカンヌは受け止めた訳だ。

ただ、中盤の山場となる“松重豊”の登場3シーン「自転車屋」「水炊き屋」「夜の商店街」が残念。一定の演技を変えることなく、いつものままで、さらにカメラが、(ここだけ何故か)単なる切り返しのみに終始する。出来過ぎた演技のタイプキャストが当たり前に熱っぽい演技をし、当たり前に撮ってるだけで、寧ろ浮いていた。
ただ、その後の、家族との決闘、そして、教え子との決闘で、グイッと巻き返すので、満足感は高いです。
ポラオ

ポラオの感想・評価

2.8
認知症をきっかけに家族が向き合う映画かと思ってたら全然違った。ベテラン陣のたっぷり間を取った演技は素晴らしいんだけど、正直ダラダラした内容に思えてしまったな。
ヤギ

ヤギの感想・評価

3.5
アルツハイマー病を患ったと思わしき定時制高校教頭の、逡巡の数日間。
主演・光石研の演技がメイン。人当たりがよいがどこか薄っぺらく、若者にも好かれるが旧時代的でもあるキャラクターが丁寧に描かれていた。出てくる若者たちがみな貧しく厭世的であり、ジェネレーションギャップが強調されるものの、最後には普遍的な問いが宙ぶらりんのまま提示される。もうすこし先の話が観たかった気もした。
『枝葉のこと』みたいな、ひりついた作品も待ってます。
2023-34th
【逃げきれた夢】

名バイプレーヤー光石研さん主演のヒューマンドラマ。

家族のために働いてきた時間の先に待つものは、バラ色の人生だと思っていた。
でも妻、子供、友人との関係は次第に希薄になっていく。
得るものより失うものばかりだったのではないか。

人生のターニングポイントって、そんな事を自覚するタイミングの事を言うのかもしれない。
スマホに夢中な娘との会話の糸口を探すシーンなんかは、自分も身につまされる。
年齢的にみんな同じ境遇を迎えているんだな、と😅。

自分ももう少し本音をさらけ出して、好きなように生きてもいいのかな、と考えさせられる。

松重豊さんも出演していて、日本の名脇役の味のある演技も堪能できる一作。
sunday

sundayの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

2023.6.17.イメージフォーラム

夢のマイホーム
真面目
他人に期待しちゃだめ
妻の不倫
娘の無関心
教頭先生
私服の高校?大学?定時制?
言った事は取り消せない
yosaka

yosakaの感想・評価

3.5
主人公の心情が今ひとつはっきりと伝わってこなかったが、光石、松重、坂井の演技を観ているだけで満足してしまうのだ。この三人、素晴らしいなぁ。
なおみ

なおみの感想・評価

3.0
北九州出身の相方に連れられて鑑賞。舞台が北九州である必然性はなかったかな…
光石さんの上手さは言わずもがな、です。
独特のリズムがある映画だと思いました。
人は気付いてもなかなか変われるものではないですね。
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