Jeffrey

歴史は女で作られるのJeffreyのレビュー・感想・評価

歴史は女で作られる(1956年製作の映画)
2.0
「歴史は女で作られる」

冒頭、1980年前半のアメリカ。旧仏領ルイジアナ州ニューオーリンズ。豪華なマンモス・サーカス、団長、演目、伯爵夫人、数奇な生涯、見世物、運命、パフォーマンス、バイエルン王宮付属庭園。今、ローラ・モンテスが回想すると言う形で始まる…本作はマックス・オフュルスが1955年に西ドイツとフランスで監督した作品で、ローラ・モンテスを描いたセシル・サン=ローランの原作をアネット・ワドマンが脚本化して、主演にマルティーヌ・キャロルを抜擢した映画を、この度BDにて初鑑賞したが良い。どおやらオフュルス監督作で唯一のカラー作品らしい。残念なのは、初回放送1974年11月11日の月曜ロードショーの時の日本語吹き替えが収録されてないとの所だ(紀伊国屋レーベル)。


さて、物語は1850年代前半、アメリカの旧仏領ルイジアナ州ニューオリンズの豪華なマンモス・サーカス。団長が、これから演じられる演目は、ローラ・モンテスことをマリア・ドロレス・ド・ランツフェルトと伯爵夫人の数奇な生涯を語る見世物である旨、口上を述べる。そして舞台に、本人の数奇な運命を自ら再現するローラ・モンテスが登場する…とざっくり話すとこんな感じで、女の一生に永遠の美と官能性を求めた映画作家オフュルスによる21世紀の自分たちにも共感できる恋愛映画である。ドイツに生まれフランスに帰化し、ハリウッドでも活躍した彼が8億フランの巨額な出費を投じてシネマスコープ作品として作り上げた本作は、監督の意図を無視して改変され興行的に失敗してしまったとのことだ。以降、呪われた傑作の称号を与えられてしまっている。19世紀に実在した美貌の踊り子、ローラ・モンテスの恋の遍歴を豪華な映像美と斬新な語り口で描いた世紀の大作と評価されている。しかしながら今回初見したが、登場人物が多くて、シネマコープで総天然のカラーフィルムで映像は美しかったし、何よりも豪華な長回しは圧倒的だったが、それ以外に特に評価するものはなかった。やはり個人的にこの監督の作品は苦手である。オフュルスの作品で自分が満足した映画は今のところないなぁ。
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