スティーヴ・ジェームズ監督作品。
シカゴのスラム出身の二人で、将来NBA選手を目指す黒人少年アーサーとウィリアムが、バスケットボール推薦で同じ高校に入学してから卒業するまでを追ったドキュメンタリー。
『スラム・ダンク』の現実版。ドキュメンタリーだからリアリティ抜群。地道な努力と怪我との闘い。
この映画を見ると他の黒人映画の描写に説得力が出てくる。街には職が無く、あっても薄給のバイト、そのため犯罪とドラッグに走る。子供たちがバスケットボールしている広場で大人たちが麻薬の売買をしている。
プロ選手を目指すうえでの生存競争。競争して勝つことを焚き付けられるアメリカの競争社会と、金がものを言わせる資本主義社会をとても感じさせる。
写される人物の顔立ちが素晴らしい。特にアーサーの母親は貧しいながらも力強く、偉大な母親と感じさせた。
アーサーとウィリアムを別個にそれぞれ写していくが、終盤になってクロスする瞬間が嬉しい。