表に見えるほんのわずかなものだけでその人の全てを勝手に作り上げてしまう危うさ。それはテレビやネットの情報だけで沙織里たちを誹謗中傷していた人たちもだし、自分の望み通りに動いてくれない弟や夫に強く当たってしまう沙織里自身にも言える。自分と同じように必死になって欲しかった沙織里は、終盤で弟や夫の中に自分と同じ悲しみや苦しみや、そして愛情があることを知り、愛情の色も悲しみの色もみんなそれぞれ違うことを知る。
エンドロールが音声だけだったのも良かった。どんな人にも、他人には到底知り得ない日常がある。頭痛くなるぐらい号泣でした。