2025005
重く苦しい内容だった。
子供が居なくなってしばらく経ち、世間の興味が薄れてしまったところからというなんとも言えない物語の始まり。
SNSサイトでは子供が見つかることを願っている人たちより自分たちを誹謗中傷する人ばかりが目に付く。手がかり、情報収集のために頼っているメディアも担当の意に反して視聴率を狙った報道ばかり。削られていく。
主人公さおり(子供の母)が極限状態のせいで、できてしまった夫、弟との溝が少しずつ埋まっていく様はほんのり温かかった。
別の誘拐事件が解決したのを複雑な涙を流しながら喜ぶさおり、その姿に「おまえ、すげーよ」と声をかける夫。素敵な夫婦。この夫婦に育てられる子供は幸せだっただろうな。
飾りっ気のないリアルな描写が多かった。
祈る気持ちで見た。映画が終わった後も祈るような気持ちだった。
「お気持ちはわかりますってどれぐらい?」
わかるはずがない。
こんな思いをしている親がどこかにいることに胸が締め付けられる。