あかつか

首のあかつかのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.5
アウトレイジより全員悪人じゃねえか。戦国時代に生まれなくてよかった。

織田信長といえば私が子どもの頃は坂本龍馬と並ぶ歴史上の人気者でしたが、今はどうなんでしょう。最近やたら伊能忠敬が推されてる気がする。学校で教えやすいってのはあるよな。二宮金次郎みたいな日本人好みの頑張り屋さん系。昔は人気偉人No.1の鉄板は西郷隆盛だったのに、1964東京五輪を境にアジア主義の西郷から脱亜入欧的な坂本龍馬になったという松本健一の説好き。

本題。最初の15分くらいは西島秀俊以外見る気がしなかった。加瀬亮の異常っぷりや男色描写もちょっと食傷気味。でも、真面目なのかと思ったら案外そうでもなく、それに気づいた途端に急に入り込めた…みたいな感じ。ハードル低くしすぎたせいもあって意外と結構楽しんだ。

敵大将の首を狩っても狩っても全部別人で、何度も現れるターンとか完全にコントよな。おまけに家康謁見後の北野武と大森南朋と浅野忠信のアドリブと思われるシーン。嫌いじゃない。あれ?誰か北野武のこと「殿」って呼んだ?

なお、
織田信長(加瀬亮)=1534年生。
豊臣秀吉(北野武)=1537年生。
明智光秀(西島秀俊)=1528年生。
徳川家康(小林薫)=1543年生。
あげつらうわけではなく。『イングロリアス・バスターズ』みたいに、歴史の教科書なんかに縛られなくてもいい。

しかし出てくるキャストの豪華なこと豪華なこと。今の邦画界で一番豪華なんじゃないか?といってもほとんど北野映画の常連とお笑い芸人だけど。もしも私が大監督で、好きな役者選んで何でも作っていいよと言われたら、今なら佐藤二朗と門脇麦と松浦祐也と円井わんと伊東蒼を起用する。
あかつか

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