下関と釜山で年に一度行われる日韓高校生の陸上交流大会での男の子と女の子の話。
基本は恋愛話だけど親のそのまた親の世代の戦争の遺恨を俺たちの時代まで残すってどうなん?というなかなかシビアな問題にも触れる。
が、しかし
韓国人のアン君の日本語がカタコトすぎて笑ってはいけないんだけどちょっと笑ってしまうレベル。
これはこれでリアルではある気もするんだけど、2年も日本いたんならもう少し喋れてもいいんじゃないかとか、もう少し喋れる役者さん連れてきても良かったんじゃないかとかかなりむずむずするのは否めない。
そして主人公の女の子のお父さんは流しの歌手という大グセのある設定。
正直現代的に見るとちょっとしたギャグに見えるので違う職業にしてほしかった。
でも大人って平気で自分たちがやってることでも、子供がそれやるとマジ切れるみたいな理不尽さとかはこの映画ではなかなか上手く表現できていた気がする。
あまり歴史に詳しくないのだけど下関って特別反韓的な地理なんでしょうか?
それとも時代かな?
監督も下関出身で主人公よりもちょい年上くらいの年齢なのである程度時代の雰囲気を映しとれてる映画なんだと勝手に思うようにしている。
にしても主人公グループの陸上部生活はそれに懸けてる!って感じでもないので中盤の喧嘩シーンとかはただ喧嘩シーン入れたいだけに見えたり、恋模様もかなり物足りなかったのでドラマ性はかなり低いし、これだと日韓的なテーマもそこまで解像度高く見えてこない。
なごり雪が一応のテーマ曲になっているけれどここももう少しうまく違う曲でテーマ性、ストーリー性に合わせられなかっただろうか。監督の思い出の曲レベルな感じがしてクライマックスの良いとこで歌われても、いやなんで今歌うんですか?と、もはや不快にも感じる。
パッチギとかは似た題材だけどもっとエモーショナルに、恋愛も青春も密度濃く描いていた。
曲でもしっかり上がれる、泣ける構成になっていたのを思うとちょっと天と地の差を感じてしまう。
これを見て心動く人はあまりいないと思うけれども何より若い時の上野樹里はやはりこの無名キャストの中だと輝いて見える。
そこは見もの。