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アルビン/歌うシマリス3兄弟のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2007年のアメリカの作品。

監督は「スポンジ・ボブ スポンジ・オン・ザ・ラン」のティム・ヒル。

あらすじ

鳴かず飛ばずのシンガーソングライターのデイヴ(ジェイソン・リー「ジェイ&サイレント・ボブ リブートを阻止せよ!」)はある日、ひょんなことから森から紛れ込んできた3匹のシマリスたちと生活することになる。しかし、その3匹のシマリスたちは歌って踊れるエンターティナーだったことで一気にスターダムへと駆け上がる。

ディズニープラスにて。無作為に選んだ中から。

原作はアメリカの「アルビンとチップマンクス」というアニメシリーズを実写化したものということらしい。

のっけから登場するシマリスたちは0年代初頭のCG技術にしてはやや荒さが目立つもののすごく精巧に動いていてリアリティもある。

そんなシマリスたちが歌って踊れるエンターティナーだった!!というお話。

のっけからその魅了する歌声を披露するんだけど、小さなシマリスという設定を生かしてなのか、ディズニーで言うところの「チップ&デール」の特にチップのようなキンキンした声質(機械で元々の声優さんの声を倍速で変えている)で歌うその姿はとにかくキュートで観ていてほっこり。

そもそも「なんでシマリスが喋れるの?」という根本の疑問に関しては全く触れられないんだけど、そのままなんか周りの人々も「これは売れるぞ!」と躍起になってゴリ押しして、YouTubeによってファン層も一気に広がるツッコミ不在の世界観。

で、序盤はそんなシマリスたちと共同生活をするハメになった主人公のデイヴとのドタバタが描かれるんだけど、結構悲惨w家をしっちゃかめっちゃかにされたり、挙句の果てには会社をクビになっちゃったり…。

ただ、彼自身売れないシンガーソングライターだったこともあり、彼の作曲でクリスマスソングを売り出したことで一気に人気者へ。

で、そこからデイヴとシマリスたち「ザ・しまっピーズ」(このダサいグループ名誰が考えたんだ?と思ったらどうやら一般公募らしいw)の更なる珍道中を描いても良さそうなんだけど、そちらの方向にはあえて行かず、育ての親であるデイヴと彼と腐れ縁でレコード会社のオーナーであるイアン(デヴィッド・クロス「ザ・レジェンド・オブ・シークレット・パス」)とのアルビンたちを巡る「親権バトル」が勃発するから面白い。

このイアンを演じたデヴィッド・クロスってのがまぁすごい憎ったらしいイアンってキャラを体現していて、色んな作品でちらほらと見たことある多分バイプレーヤーなんだけど、多分一番個人的に印象に残ってるのが「メン・イン・ブラック」のあのバグにやられて体液ヌメヌメの状態で天井に磔にされた役の人って言えばわかりやすいかな。

今回はアルビンたちをスターダムに押し上げて一気に金を搾ろうとする実に経営者気質のキャラを演じているんだけど、金に物を言わせてアルビンたちを抱き込もうとするのがまた憎たらしい。しかも、アルビンたちには一切愛情なしってのがまたなんか違うスター誕生ものを見ているようでツラい。

逆にデイヴはアルビンたちに酷い目に遭ってるのに、自分の作った歌で売り出そうという野望自体は持っているものの、あくまで保護者会として「やれやれ…」感を出しながらもそれを許しちゃう「いい人」なもんでそこら辺の対比も観ていると面白い。

特にその対比が如実なのはシマリスたちの1匹ぽっちゃりセオドアが「怖くて寝れないから一緒に寝ていい?」と実に可愛らしくお願いするのをなんだかんだ許して一緒に、といいうか最後は顔の上で寝かせちゃうデイヴに対して、イアンはセオドアをぶん投げて追い返しちゃう、このシーンはかわいそうだけど、2人のシマリスたちに懸ける愛情の違いが明確に描写されている。

そこからも分かるんだけど、タイトル通りあくまでも3匹の中心はアルビンなんだけど、実質一番推せるのはセオドアなんだよな!ぽっちゃりキャラってのんびりか大食漢のコメディリリーフが特に向こうのアニマルものだと多いと思うんだけど、セオドアはそのどちらでもなく甘えん坊で純粋なのがとってもキュート過ぎて…もう可愛い!!

ただ、その分肝心のアルビンが最後以外は影薄めという…。

ラストは子ども向きらしくデイヴのもとに3匹が戻ってハッピーエンドって感じなんだけど、そこの「親権バトル」にお話を絞ったおかげでデイヴが「そして、父になる」までを丁寧に描けていて、意外とすっきりいい作品になったのではと思う。

どうやら、4まで作られているらしいけど、また機会があれば続編も観てみようかな。
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