夫の殺害容疑をかけられた妻が被告となる法廷劇
状況証拠が揃ってない状態で情報を都合よく繋ぎ合わせて自分の考える結論に導かせようとする弁護士、検察官、証人たち
自分の主観なのによくあれだけ自信満々に主張できるなあと感心する
無実を訴える妻へ弁護士は「本当にやっていないかどうかは重要ではない」と言う
裁判では事実がどうかではなくどう納得させるのかが大事なのだと
ここがこの映画の本質なのかも
真実は一つではなく人の数だけある
刑事事件の裁判というより離婚調停みたいな内容だった
裁判って人間関係みたいな曖昧なものより客観視できる物的証拠の方が重要視されると思うんだけど今作はびっくりするくらい証拠が出て来ない
リアリティには疑問があるけどドラマとしてはめっちゃ面白かった
夫婦の諍いの録音が法廷で流される
作家として成功しているが家のことに非協力的な妻と家事と育児が負担で自分の夢が叶えられないと言う夫
どっちの言い分もわかる
これが男女逆ならと考えると俄然面白くなってくる
どこの家庭にでもあてはまりそうな身近にある夫婦の問題
夫は世俗的な男のプライドを持っていたからあそこまで妻に嫉妬して劣等感も大きかったんだろうな
どちらの気持ちに寄るかで鑑賞者の真実も別れる
世間の人は真実がどうかより結果が面白い方がいいと言う
若干11歳の息子にとって多分最善の結果にはなったが事実はわからないまま
裁判が終わってからのシーンは親子のこれからを考えると重い気分にさせられる
愛犬スヌープはパルムドッグ賞受賞の素晴らしい演技!
でもイヌ好きの人にはちょっとキツいかも