Takeru

関心領域のTakeruのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.0
当時のドイツ人サイドからだけで見たホロコーストという感じ。一見すると裕福で幸せな家族に見えるけど美しい庭の端には高く聳え立つ収容所の壁があって、焼却炉の煙や列車の蒸気の描写から確かに虐殺が行われているのに素晴らしい家に住んでいる家族は無関心。実際に劇中一度もユダヤ人が出てくることはないし、きっとヘスの家族たちの中にもユダヤ人は存在しないのだと思う。
自分たちははホロコーストによってユダヤ人がどのような迫害を受けたのか分かっているけれどもそれは悲惨な歴史として理解しているから。
アイヒマンがアウシュビッツでの虐殺について「与えられた職務を淡々と全うしただけ」と言えてしまったのも無関心が引き起こす恐ろしさだと感じた。
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