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タイタニックのGreenTのレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
3.5
むかーし観た時の記憶は、ローズ(ケイト・ウィンズレット)とジャック(レオナルド・ディカプリオ)のコテコテの恋愛ドラマしかなかったんですけど、今観るとオープニングの現代のシーンで、沈んだタイタニックを観測するシーンがいいですね。良くあんなセット作ったなあとリアリティに驚く。

コンピューターのシミュレーションで、タイタニックがどうやって沈んだかをアニメーションで再現しているシーンがあって、あれを見させられるから、後半、実際にタイタニックが沈んで行くとき「あ、これって真ん中でボキって折れる!」とか、どうなって行くかが分かるので逆にハラハラする!

ジャックがローズに「冷たい水に落っこちるとすごい痛いんだよ〜」って語っていたりとか、伏線の張り方が上手い。

この作品は間違いなくディカぷ~とケイト・ウィンズレットの出世作でしたよね。

ディカぷ~は、この前までも色んな作品に出てて知ってたけど、まだティーン・スターというか、知名度的にはそんなに高くなかったと思うんだけど、この後から「大人のスター」になったというか。でも個人的にはこの映画がピークで、この後のディカぷ~作品はほとんど興味ないなあ。

ジャックの役って、映画会社はマシュー・マコノヘー押しだったらしい。ジョニー・デップがオファーを断ったとか、クリスチャン・ベールもオーディションを受けたとか、もっと年上の人が考えられていたのかな?今ではこの役、ディカぷ~以外想像できないよね。

ケイト・ウィンズレットは、ディカぷ~の熱狂的なファンから「レオ様の相手役にはブスすぎる」ってけちょんけちょんに言われていたのを憶えてるけど、確かにあんまりパッとしない感じはしますね。

でも2人ともすごい初々しくて良い。確かにベタなメロドラマなんだけど、2人が子供っぽいから納得行く。

やっぱね〜、17歳でしょ?恋に落ちて楽しい一時を過ごし「船が港に着いたら、あなたと下船する」って、いや〜、こういう馬鹿げたことができる年齢なんですよ!

でも、結果的にローズが1人で下船するって所が良い。彼女が本来持ってた強さとか自由さってのが、ジャックの犠牲によって引き出されたって感じで。

中盤から後半にかけてのタイタニックが沈んでいくディザスターのシーンも、ちょっと長いけど「いやしかし、これ削れないなあ」って思うくらいリアリティがある。

これってジェームズ・キャメロン監督が、すごいタイタニックの実話にハマって作った映画なんだってね。すごいリサーチして、タイタニックのサバイバーに聞き込みしたりして再現したシーンらしく、だから結構刺さるのよね。あの、お父さんが小さい娘たちに「すぐお父さんも行くから」とかって嘘つくシーン「泣かせるなあ」って思ってたら、あれ本当の話なんだって。あの小さな姉妹はサバイバーで、お父さんは本当にああやって言ったんだって。

ウィキやiMDbのトリビアめちゃくちゃ長くて読み切れてないけど、色んな逸話がある。しかしそれを書く気にもなれないという、それほど思い入れない映画ではあるが、でも何回観た?何度も観れる映画だよなあ。

史上最高の制作費($200ミリオン)で「絶対コケる」って言われてて、ジェームズ・キャメロン監督はすっごいプレッシャーだったらしいけど、そんなプレッシャーに耐えて作ったのはすごい。この人すっごい嫌な奴って言われているけど、そのくらいの人じゃないとこういうプレッシャーには耐えられないのかもね。
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