I'm the king of the world！
史実を軸に、上流階級の娘ローズと青年ジャックの儚い恋を描いた不朽の名作です。
いったいどれくらいの恋人たちが、あのシーンを真似したんでしょうね。
海に沈んだタイタニックから若い女性の絵が引き上げられる。
「あの絵は私よ」タイタニックの生存者である老婦人が語り始めたあの日の出来事。
時間をかけてゆっくりと沈んで行く船で逃げまどう人たちを見ていると、人間の無力さを思い知らされます。
死に直面したときの行動は、心を打たれるものもあり、一方で浅ましくもあり、涙なくしては観れませんでした。
皆が夢中になって話に耳を傾けているシーンが、現実に引き戻されて息をつくことのできる瞬間でした。
年老いたローズの足に塗られた真っ赤なネイルを見て、彼女の人生に思いを馳せてしまいます。
馬にまたがり、飛行機に乗り、女優になり、結婚して子供も持った。
あの夜ずっとローズを励まし続けたジャックとの約束どおり、彼女は強く、自由に生きたんだと。
そして、やっとここに戻ってきたんだと。
