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乱れるの一のレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
4.2
成瀬巳喜男監督作品

未亡人と義弟の許されない愛を描く

観るもの全てを打ちのめし、まさに乱れさせてくる傑作

凄すぎる
心地よいテンポのカット割り、効果的な光と影の使い方
小難しさもなく、生々しい人間関係や繊細な心理描写で、静かな作品でも情感豊かなストーリーにぐんぐんと引き込まれていく

こんなにしっかり者の素敵なお義姉さんが家にいたら、たとえ許されない間柄だとしても好きになるのは必然的

なにより、女性を撮らせたら右に出る者はいないといわれる監督だけのことはあり、高峰秀子が桁違いに魅力的に捉えられているのが物語の説得力を極限まで高める
表情のみでこれほど葛藤し激しく揺れる動く複雑な女心を表現できる女優さんは観たことがない
加山雄三の能天気でダメダメなキャラクターも、妙にリアルで良かった

ラストのぶつ切りのようなクローズアップも、苦しい展開に負けないほどのインパクト
下手な監督であれば陳腐な作品になりかねないメロドラマですがそこは成瀬巳喜男監督、文句なしの傑作です

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿88% 〉
〈 IMDb 8.1 / Metascore - / Letterboxd 4.1 〉

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