成瀬巳喜男監督
いや〜、またこれは日本映画を圧倒する大傑作を観ましたよ。
繊細な表情と心情を丁寧に丁寧に映し出す。
加山雄三パイセンの、凛々しく逞しい鼻筋と目。
境内で語られるお互いの熱い気持ちはたまらん。(なんでお寺に呼んだ?)
「私だって女よ」「あなたこそなんでもっと目を開かないんだ」
はい、日本ベストオブ境内トーキング賞を贈呈します。
そして乗り込んだ電車内での2人ときたらもう…
視線を合わせた2人の表情、涙の理由。
誰かを愛してしまっては、その人のことが頭から離れない。近くにいて欲しいけど、遠くから眺めていたいのよ。ずっと一緒にいたいけど、私たちそうもいかないのよ。
ラストのラストでは思わず、オッッップゥ…と謎の声が出てしまうほど。
突然の出来事、走り出す朝、おぼつかぬ足取り、
あなたとはこれが最期。
髪の毛は、乱れる。
「終」
井伏鱒二的に言うならば、
「さよならだけが人生だ!」