「乱れる」に投稿された感想・評価

祖母が「加山雄三を超える日本男児はいない」と豪語していたのですが、やっと理解できました…屁理屈を言う姿がかわいいなぁ…
一線を超えるか超えないかのもどかしさが、店の造りから照明の使い方まで全てから伝わる。そして2人が揃うと一気に家が家じゃなくなる緊迫感があってすごい。全てが計算されていて感激でした。
殻を破り切れない姉さんの姿が、この時代の女性の生き方でもあったわけですね。深い。

このレビューはネタバレを含みます

はい、大傑作。
究極的には俳優任せの大技なんだけど、その為の振りを恐ろしいほど丁寧に作る辺りが凄い。
完全にハッピーエンドで終わる気でいたのは乱れきっていなかった証拠。
☆☆☆★★★

2008年9月27日 新・文芸坐
衝撃的なラスト。
その事実を示すのが指輪という残酷さもそうだが、とにかく「追われる身だった高峰秀子が一旦追う立場になるとまるで追いつけない」ということを視覚的に見せつける演出の凄さに鳥肌が立つ。
電車でのシーンは全て忘れがたい。
自分から進んで白黒映画を見たのは初めてだったんだけど、良い。すごく良い。
昔ながらの商店街だったり家内だったり小道具だったり会話だったりっていうのが見ていて飽きなくて、ストーリーがあんまり入ってこないくらいだった。

2人の禁断の恋が襖や橋に重ねられていたであろう演出と、昔ながらの渋いセリフを加えた表現がなんだか心がかゆくなりながらも見ていて虜にされる。日本映画の手本になった作品として見ると、成瀬巳喜男って本当にすごい。もっと成瀬巳喜男の作品が見たくなった。

感じたい学びたいものが多すぎて1回だと吸収しきれなかったことが多いから、きっと近いうちもう1度みるだろうな。みたい。
映画男
4.0
すばらしい。
丁寧に確実に人間を描いている。この人たち芝居が良すぎる。小津のにおいもした。

是枝監督は成瀬作品に影響受けてるんやなと思った。
mash1966
4.5
録画していたものを見直し。
名画。
完璧。
高峰秀子の味わい深い表情と、加山雄三との空気感。
最高でした
酒屋の長男坊の元に嫁いで直ぐに夫を戦争で亡くし、一人で酒屋を支えた真面目で働き者の嫁(高峰秀子)。
平穏に暮らしていた彼女だが義理の弟(加山雄三)に愛を告白されたことを境に転落人生に堕ちていく……

こんな風に書いてしまうと、
“真昼の未亡人、背徳の逃避行-乱れる-“
みたいなズブドロ愛欲劇か?と誤解されてしまうかも知れません。
“大石先生“にそんなことを期待してしまう御仁には申し訳ありませんが、まさかまさかそんなことはありません。

真面目に築いてきた自分の人生と、男に愛されることによる歓びを自分の中でどう折り合いをつけるのかで苦悶する女。

義理の弟との間にはからずも芽生えてしまった、愛する人にキスすらも自らに許さぬ身を焦がすような愛。
高峰秀子の渾身の演技が胸に迫ります。
成瀬巳喜男監督作品。
高峰秀子でなければ、成り立たない作品。
昭和30年代後半、スーパーマーケットの登場で圧迫されていく小売業等の時代背景もキッチリと作品に織り込み、自分の都合だけで生きる登場人物と時代の流れとは無関係に生きる登場人物を交錯させる成瀬節がこの作品でも綺麗に決まっている。
ラスト、高峰秀子が銀山温泉を疾走するシーンは日本映画屈指の名場面。
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