福士蒼汰は爽やかなイケメン役をやらせるより悪い奴の役をやらせたほうが抜群に映えると証明してしまった。
浅野忠信から学ぶことも多かろう今回の映画では、松本まりかという日本女優界でも群を抜いた憑依型を相手にさらに悪い奴の表現が冴え渡っていた。
しかし、行動心理がよくわからず、性的倒錯が急すぎて「なぜに？」と疑問のまま物語が進んだ感が否めないが、これは物語の問題であって彼のせいではない（はず）。
そして哀川翔の愛娘の福地桃子も良かった。普通の女性であることを表現することは難しいが、彼女のそれはまさに求めていたもので、良さが存分に引き出されていた。これが大森監督の成せるワザなのか…。
日本の映画はこういった鬱屈が溜まった地方を描かせたらピカイチで、今回もあまりにイヤになる地方の悪いところがよく出ていた。
原作は未読だが、これは読んでみて改めて映画についても考えてみたい。
