らんらん

惜春鳥のらんらんのレビュー・感想・評価

惜春鳥(1959年製作の映画)
4.0
福島が舞台、かつて同窓だった5人の青年をメインとして、変わらぬ友情を願う彼らだが時間は流れ人は変わっていくみたいな、社会に出ればそんな現実が待っていて、世知辛いなぁってお話

意外にもカラー作品、お話自体はたいしたこと起きません、正直あらすじだけ読んでいたら面白くないと思う
けどなんか良かったのは日本映画全盛期を感じる出演者の豪華さ、そして名監督木下恵介の演出、劇中やたら流れる歌謡のムードなんかがそう思わせるのかも

出演者について
クレジットでは佐田啓二に続き有馬稲子がツートップなんですが、正直両者はあまり出番ありません、クレジット詐欺ですw 役者の格でそうなってるみたいな感じ
中心となる5人の青年は、津川雅彦、川津祐介、石浜朗、小坂一也、山本豊三、後者2人は認識してみたのは初めてかと
あとは十朱幸代、第一回出演とかクレジットがあって、これがデビュー作みたい、当時17歳という初々しい姿が見られます
そしてただの脇役も豪華なんです、笠智衆、伴淳三郎、藤間紫、清川虹子、宮口精二など、ただのワンシーンのみとかもあったりする、もったいないくらいの使い方

ストーリーについて
変わらない友情を願っていても、いつまでもガキじゃいられないんだよね、生活していかなきゃいけない
劇中では比較的裕福な津川雅彦や小坂一也はあまり変わらず、貧乏で現実に揉まれている川津祐介、石浜朗あたりが変わっていく世知辛さ、大人になったら金とか女とかが絡んできて、犯罪に走るやつが現れたりと、、、あの頃は良かったなぁって思うよね、そんなやるせなさ全開のままのエンドです

前半では抱き合ったり見つめ合い手を取り合ったり、え!?そっち系と思わせるくらい仲良かった風に見えたのに、わからんもんですね

最後にクレジットではツートップの2人にも一応触れておく
有馬稲子は芸者役、津川雅彦のオジである佐田啓二と駆け落ちしたんだけど、見つかって連れ戻されちゃう、その影響で両者とも空虚な日々、特に佐田啓二は胸を患い悲観に暮れほとんど寝てるシーンばっかり、あまり見所はない
一方有馬稲子は出番少ないながら良かった!そもそも見た目的が有馬稲子なんですけど、会津訛り?なトーク、白虎隊の舞踊、そしてやっぱり美人! ストーリー的には十朱幸代よりも脇役かもしれないけど、見て良かった!
ちなみに2人の恋の行方は駆け落ちはダメだったので心中となったみたい、でもその場面すらなく軽く触れられるだけ、、、うん、間違いなくこの2人は主役じゃないお話です
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