あーや

恋の画集のあーやのネタバレレビュー・内容・結末

恋の画集(1961年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

※「恋の画集」と「観賞用男性」の2本立てのため内容重複します。

コメディ映画のおもしろさは、映画館で観るからこそ真の価値が判るのだと思います。たとえ1人で観に行っていても、周りに笑い声がすると思わずつられて笑ってしまうのです。
今日は「恋の画集」と「観賞用男性」の2本。2本とも野村芳太郎監督作品です。
野村芳太郎のコメディってどんなんやろって思いながら見に行きました。なぜなら彼の作品で私が一番に思い出すのは「鬼畜」(とても怖い)その次に「ゼロの焦点」(程よく怖い)。清張作品を撮ってるイメージなんですよね。

それが「ゼロの焦点」と同じ1960年に「恋の画集」、その一年前に「観賞用男性」を撮っていたなんて!すごいギャップ!!!そして2作品ともとってもガーリーでラブリーなコメディ!この人の作品は清張作品以外にもスポットライトがあたるべきですね。発掘しないと!
「恋の画集」は桑野みゆきと川津祐介主演のハプニング系ラブコメ。
婚約者である桑野みゆきの上司が不倫していることを偶然知った川野祐介。婚約者の上司をユスって自分たちの結婚資金に当てようと一人懸命に詐欺を働く川野祐介の奮闘っぷりに大笑いでした。
結局色々明るみに出てあれよあれよという間に桑野みゆきに捨てられかけるのですが、もう勘違いやら誤解やらが多すぎて誰もが混乱してる間に無事結婚に至るというおめでたいストーリーでした。次々と起こるハプニングがいちいち面白くてね!周りにいたシルバー映画玄人の方々は、笑いすぎて時々痰の絡んだ咳をされていましたよ。どうかお大事に。

個人的に特筆しておきたいのは、両作品ともオープニングでアニメーションを使っています。「恋の画集」は最初の30秒だけで「観賞用男性」はガッツリと時間をかけてカラフルな色調です。どちらもお堅くない映画なんだなと思わせてくれる少しおマヌケなアニメーション。おかげでいい具合に力が抜けました。グラフィックを駆使せず、作家の手とセンスに任せたのだろうと感じるオープニングでした。
あーや

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