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パラダイスの夕暮れのらのレビュー・感想・評価

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)
3.9
元々派手とは言えないカウリスマキ作品の中でも本作は特に地味な物語として分類されそうだが、「ただの映画」という感じがしてとても好みだった。いい意味で「大したことない」だけに味わい深い作品。

独特の青みがかった映像に、ブルーの被写体や主人公ニカンデルのネイビーカラーの服装が映える。イロナの服装にイエローが多いのもその対比として視覚的に気持ち良い。ラストシーンで、ニカンデルとイロナの二人を乗せて出航する客船を見送るお友達(メラルティン)のショットが最高。彼のクローズアップで妙に嬉しくなってしまった。
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