yukihiro084

永遠の愛に生きてのyukihiro084のレビュー・感想・評価

永遠の愛に生きて(1993年製作の映画)
4.5
僕は2度、生まれた。

彼女に出会うまで、たった30年なのに、
分厚い本が書けるくらいいろいろあった。
そんなとき、彼女は現れた。彼女は
笑ってしまうほど、真っ新な人だった。

初めて出会った日、僕は無我夢中で
彼女を翌週の週末のデートに誘った。
ドライブしよう。海辺でランチをしよう。と
必死だった。彼女の返事はOKだった。
『じゃ10時頃、迎えに行きますよ』と言うと、
彼女は、2時くらいでもいいですか?と
ニコニコしながら言ってくる。
ランチを食べようと言っているのに、
なんで昼過ぎの2時なのか意味不明だったが、
彼女は言った。

『午前中は、寝るものなの。』

彼女があまりにも堂々と言うので、
何か有名な格言か、もしかしたらこの国に
そんな法律があるのかとさえ思った。
『ほら(休日)って(休む日)って書くでしょ。
だから休日は休むものなの。知らなかった?』と。

あの瞬間、今の僕が生まれた。
これ以上にない程、楽しい気持ちになった。
だって、ファーストデートでデート相手に
午前中は寝ていたいって普通、言う?

何回目かのデートで(ナルニア国物語)を
観に行った。映画を見終わった後に彼女は
真顔で『これは本当にあった話?』と
聞いてきた。そう言えば、
ロード・オブ・ザ・リングの時も聞いて
いたな。聞くと、少しでも重厚な感じの
物語は、本当にあったのかな?と思って
しまうらしい。なるほど。と納得しかける
も、いやいや、ライオンは喋らない。

ナルニア国物語を書いたC・S・ルイスが
聞いたら、どう思うだろうか?

1993年の作品。永遠の愛に生きて。
アンソニー・ホプキンスがC・S・ルイスを
演じて、晩年、ルイスが愛する女性を
(愛と青春の旅立ち)のデブラ・ウィンガ
ーが熱演している。
アンソニー・ホプキンスが、恋に不器用
な男を演じている。彼の繊細な演技が
素晴らしい。同じ年の(日の名残り)も
良かったね。

いい映画だった。素敵だった。
心の残るセリフたち。
劇中、デブラ・ウィンガー演じるジョイが
忘れられない言葉を言う。
それは永遠に忘れることのない言葉を。

休日、息子は朝早くから出掛けたがる。
だから言う
『午前中は、寝るものなんだ。
いいか、休日って言うのは……』

生まれ変わった僕の日常は賑やかだ。
ずっと続けばいいな。そう願う。

樹木希林が亡くなって、
内田裕也が逝ってしまった。
夫婦って。

ずっと昔に観たこの作品と、
この作品のセリフを思い出す。