TAK44マグナム

ブレイド3のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ブレイド3(2004年製作の映画)
2.9
グラサンをとると予想外につぶらな瞳で誰もが驚くであろう、脱税王ウェズリー・スナイプス主演でおくる「ブレイド」シリーズ最終作がようやくブルーレイ化。
シリーズを支えてきたデヴィット・S・ゴイヤーが満を持して監督業へ出張ってきたはいいんですが、その出来は正直に言って散々!
というか、脚本も酷いと思います。「バットマンビギンズ」は何だったのか。

「ブレイド」と言えば、やはりウェズリー・スナイプスの俺様アクションが肝なわけですが、そういった意味では序盤のつかみはオッケーです。
建物がバーンと爆発して、中からヴァンパイアたちが火だるまになって飛びててくる・・・と、炎の中から現れるはブレイド!
次から次へと軽快にヴァンパイアどもを灰にしてゆきます。
そこからカーチェイスへと雪崩れ込み、豪快でケレン味あふれるブレイドショーが開幕!
(ちなみにバトルシーンのBGMは、タランティーノやイーライ・ロスのお友達としてもお馴染みのRZA(=アイアンフィスト)が担当しております)

しかし、テンポが良いのもここまで。
どうにも「ブレイド」シリーズは一作目も二作目も、序盤は飛ばしてワクワクさせてくれるのに、中盤以降に雰囲気が重たくなりすぎて冗長になってしまうきらいがあったのですが、この三作目では更にそれが悪化しているように感じます。
大体、この内容で二時間越えの尺なんて必要ないでしょ。
90分ぐらいでちょうど観易いと思うのですが、如何に。

ストーリーが進むごとにかったるくなってきますが、とりあえず前2作から差別化を図るために、まずいきなり盟友のウィスラーを退場させてきます。
この人、1作目で死んで、2作目で蘇って、今度はまた死んで・・・って、車田正美の漫画か!って感じなキャラクターなんですけど、とてつもなく渋いのでシリーズに欠かせなかったのに、えらく簡単に切り捨てられましたね(汗)。
その代わりといっちゃ何ですが、ブレイドの仲間となる新キャラたちが突如として登場しちゃいます。

ここで、本作の大きな3つのポイント!
①ブレイドだけでなく仲間のアクションが加わった
②ブレイドは警察にも追われることになってしまった
③ついにヴァンパイアの始祖であるドレイクが蘇った

①についは、ウィスラーの隠し子であるアビゲイルと、元ヴァンパイアのペットであったハンニバル・キング他数名が登場、夜な夜なヴァンパイアを狩っているハンター組織の存在が明らかになります。
アビゲイルに関しては、ウィスラーの娘という設定だし、何より演じるジェシカ・ビールのアクションが悪くないので、シリーズの強化要素としては充分にアリでしょう。
だか、しかし!もう一人のハンニバル・キングは要らんでしょ!
ただの軽口要員だし、存在そのものがダダ滑り。
演じているのはライアン・レイノルズですが、マッチョなボディ以外に見所ナッシング!
こいつに尺を使いすぎなんだよなあ。勿体ない!

お次は②ですが、これも残念ながらあまり機能しているとは言えません。ヴァンパイア側の新たな戦略として「ブレイドは凶悪犯罪者」という認識を人間社会に根付かせるという作戦はおおいに結構ですが、そんなの序盤だけで忘れ去られてしまい、ブレイドは脱走犯のくせして大手を振って街を闊歩しているし、ラストにならないとFBIも出動してこないので、「たんにウィスラーを殺してアビゲイルたちを登場させるため」としか機能していない状況設定だと言えるでしょう。勿体ない!

最後に③です。
シリーズ最強の敵であるドレイク。なにせヴァンパイアすべての始祖なのですから半端ない強さのはず。
しかし、これがどうしたことか、勿体ぶって登場した割にはやっていることがどうにもチマチマしていてセコイ!
「お前の力を見せてみろ」などとブレイドを挑発したかと思うと戦わずにひたすら逃げる!
そして赤ん坊を盾にする!
ブレイドたちのアジトを強襲したかと思えば、本気になって子供を捕まえたり、動けない怪我人を捕まえてご満悦!
ドラキュラグッズばかりが売っている謎なショップで逆ギレかまして店員に暴行!
こいつ、本当に最強なの・・・??
ラストバトルも期待したよりアッサリしていたし・・・勿体ない!

結論として、どの新要素も勿体ない結果に終わってしまったという・・・。というか、要らない要素が多すぎ!
もっと削ぎ落して、ソリッドでタイトな脚本・演出に注力したら違っていたのかも。
つまりは、デヴィット・S・ゴイヤーの力量不足が原因なのかもしれませんね。この人も当たり外れが大きいなあ。

相変わらず、ブレイドのキメキメアクションはいちいち格好良いし、紫外線レーザーカッター等の対ヴァンパイア用のとんでも武器やガジェット類も魅力あるし、ジェシカ・ビールのへそ出し戦闘スタイルは拝めるし、優良ポイントもそれなりにあるのに、本当に勿体ないシリーズ最終作でした。
こういった映画は敵キャラに魅力がないと駄目なんですよね。
それなのに、敵側で一番魅力的だったのが吸血ポメラニアンっていう時点で終わってます(苦笑)。

それでも、「ブレイド」シリーズの成功がなければ、そもそもマーベルが「アベンジャーズ」を頂点とするMCU構想を実現させなかったかもしれないと思うと、我々が「アイアンマン」や「キャプテンアメリカ」を観ることで出来たのは「ブレイド」のお陰といっても過言ではありません。
なので、ちょこっとだけでもいいから、「アベンジャーズ」とかにも出してあげてくれないかなあ、陰の功労者として・・・(苦笑)


セル・ブルーレイにて