ぎー

ボーン・スプレマシーのぎーのレビュー・感想・評価

ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)
4.0
「少し休んだ方がいい。疲れた表情をしてる。」
ボーンシリーズ2作品目、グリーングラス特集3作品目。
1作品目が完璧だと、2作品目が見たくてたまらない反面、つまらなくなってしまったらどうしようという不安もあるけど、このシリーズは話が進むに連れてどんどん面白くなっていく、異常に完成度が高いアクション映画シリーズ!
今回の舞台はインド、ナポリ、ベルリン、そしてモスクワ。
アクションシーンは迫力もスピード感も1作品目を遥かに凌ぐ!
それにしてもグリーングラスとマット・デイモンはすごい。
グリーングラスは監督を引き継いだにもかかわらず、世界観を全くそのままに映像表現をアップグレードしているし、マット・デイモンは監督が替わったのに、不変のジェイソン・ボーンという超人的なキャラクターを演じ切っていた!!

今回のポイントはボーンにとってライバルとなる刺客キリルがいる事。
マリーと暮らしているボーンの元に送られ、壮絶なカーチェイスの末に、一瞬で遙か遠距離からスナイパーライフルでマリーの頭を撃ち抜くシーンを見て、観客は彼が凄腕だと確信する。

この伏線があるからこそ、終盤のモスクワでのカーチェイスの緊迫感がより一層増してくる。
貧弱なBMWのタクシーに、キリルが操るベンツの車列が迫る様子は迫力満点。
この映画シリーズはBMW贔屓かと思っていたけど、ベンツにとっても滅茶苦茶見せ場だったね。
それにしてもロシア警察はCIAに協力しすぎでしょう。

見せ場はカーチェイスだけじゃない。
肉弾戦も健在!
ドイツの家の中でボーンが殺し屋と繰り広げる肉弾戦のスピード感、迫力はすごい!
マット・デイモンのアクションも良いんだろうけど、カメラワークが本当に絶妙。

でも、何より1番印象に残ったシーンは、ベルリンでボーンがホテルから追手を振り切って逃げる場面。
普通のアクション映画だったら超人的な体力に頼って、後は頼れる仲間やド派手な機会に頼って、ミッションをやり遂げる。
この映画は全然違う、
超人的な体力だけではなく、超人的な頭脳に裏打ちされていて、そこに偶発性は全くない。
ボーンは予め地図を記憶し、時刻表を確認して、人や乗り物の動きを捉えた上で、アクションする。
そして、この映画はそのプロセスを全くスピード感を損なう事なく、観客に見せてくれる。
そのおかげで、僕らはボーンの超人性をよりしっかりと感じる事ができる。
それが最も炸裂していたのがこの場面だった。

一作目はどうしてもストーリー展開上ボーンが逃げる展開が多かった。
本作は異なる。
レビュー冒頭のセリフが出た場面もそうだけど、ボーンが主導権を握って反転攻勢を仕掛ける場面が多くなってきた。
敵であるアボット局長があまりにも腐っていることもあり、僕らは感情を出さない超人ボーンにすっかり感情移入して、映画にのめり込んでいく事ができた。
すごい映画だった!

◆備忘ストーリー
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ボーン・スプレマシー
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