『動物界』ルッキズム、人種差別、マイノリティ、パンデミックなど、様々なメタファーとして捉えられる社会派の設定だが、エンタメとして楽しませる見せ場も充実。この手の異形のドラマは手塚漫画や宮崎アニメで育った日本人には新鮮味が無いとも感じたが、その分、正統派の力強さに満ちた作品で驚いた。
『動物界』でも、一番胸に響いたのは父と息子のドラマ。対峙的で言葉足らずで、心と逆の言動をとりがちな男同士。親目線の思い通りならない切なさ、子目線の期待から外れる痛みが両方あった。社会派としても家族のドラマとしても舞台が狭かったのが良くて、リアリティが増し、絵空事や他人事にならずに見れた。