shino

ブラインドネスのshinoのレビュー・感想・評価

ブラインドネス(2008年製作の映画)
3.4
「ミルクの海で泳いでるみたいだ。」

人類が突然「白の病(=失明)」に侵され無秩序状態になるなか、一人だけ、見えている主人公の話。

最初に発症した日本人男性を演じるのは伊勢谷友介。その妻は木村佳乃。なんとも美しい二人。しかしこんな日本人カップルそうそういない…笑
ちょい役かと思いきや、最後までしっかりセリフがある結構重要な役どころ!

見えていないフリをして、失明した旦那と一緒に隔離施設に入ったジュリアン・ムーア演じる主人公。自分だけ一向に失明にならない。
見えない人たちの集団生活がどれだけカオスか…普段人はどれだけ視覚情報に頼っているかを突きつけられて、見えないほうがまだいいって思ってしまうほどの地獄絵図だった。

失明の感染症はなぜ、どこから?とか、なぜ主人公だけ見えている?とかをハッキリさせる描写はあまりなくて、「神さまの気まぐれ」的なまとめ方。
見えないほうが都合がいいこともあるし、見えないことで見えてくる本質もあるよね。

個人的に長いこと海外生活だからか、英語の中で時折聞こえてくる伊勢谷夫婦の日本語にすごくホッとした。
英語で訳せないような、お焚き上げ、とか初詣、みたいな単語。日本語ってキレイだなあって、私の聴覚も研ぎ澄まされた感じです。笑
shino

shino