くぅー

ブラインドネスのくぅーのレビュー・感想・評価

ブラインドネス(2008年製作の映画)
3.5
突然に失明を発症させる、脅威的な伝染力を持つ奇病"ブラインドネス"が蔓延・・・発病者は次々と隔離施設に収容されて行くが、そんな中にただ一人、見えている女性が紛れ込んだのだった...

そう、キャッチコピーが "全世界、失明。"と、大きく出たので、監督の狙いが見えない方も多くなるのか・・・実際、見たくないシーンもそれなりにあるし。

視覚のみを失われた時の人間の本質を、収容施設内に限定して、徹底的に深くえぐって見せる・・・簡単に崩壊する秩序に、エゴは丸出しになり、暴君体制に従わざるを得ない姿には苦虫を噛み潰しも、いろいろと考えさせられちまった。

まぁ、光が見えて来るラストにはなってるが・・・唯一、目が見えてる女性が不意に見せる表情、それが全てを物語っている気がして、何とも言えない余韻が見えて来ましたね。

しかし、鬱な作品なので、体調を整えて心して御覧下さい・・・見えない恐怖を演出するための音も効果的過ぎるので。

なお、キャストでは、ジュリアン・ムーアが唯一無二の熱演を披露。
マーク・ラファロにアリス・ブラガに、ダニー・グローヴァーらがナイスなサポートぶりで・・・ガエル・ガルシア・ベルナルも流石のイヤらしい助演ぶり。
そして、伊勢谷友介に木村佳乃もきっちり作品に溶け込んでました。
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