懐かしのベスト・ムービー20 [5位]
『007 女王陛下の007』 (1969年) 【4.6】
マイプロフィールに映画は007と言っており、第1作が公開になって55年、全24作ある007シリーズ、懐かしのベストムービーに登場させない筈がない。
『女王陛下の007』 は 007 シリーズ第6作目。
ジョージ・レーゼンビーが2代目ジェームズ・ボンドを務める唯一の作品である。
歴代のジェームズ・ボンド役が全員英国或いはアイルランド出身に対し、
一人、2代目レーゼンビーはオーストラリア クイーン・ベイヤン出身である。
オーストラリアで売れっ子のモデルであった彼は 『女王陛下の007』 のピーター・ハント監督にジェームズ・ボンド役として抜擢された。
しかし、持ち前のマイペース、悪く言えば、自分勝手で、プロデューサーであるアルバート・R・ブロッコリーの評価を得られず、結局、形として次作登板辞退となっているが、実質続投を拒否されたものである。
興行収入も007映画としては低く、前作・後作 (いずれもショーン・コネリー出演) の8割を切る。
ショーン・コネリーが5作に亘って築いたジェームズ・ボンドの強烈なイメージに潰されてしまったと言える。
作品は、恵まれた共演者の協力もありなかなか良くできている。
24作中5番以内に入る名作。
世界規模の犯罪組織スペクターの首謀ブロフェルドを捕えるベッドラム作戦任務に当たるボンドは、ポルトガルで偶然テレサという女性と知り合う。
テレサは犯罪組織ユニオン・コルスのボス、ドラコの一人娘であった。
ボンドはブロフェルドの在りかを聞き出そうとテレサを介してドラゴに接触を試みる。
ボンドの気心を知ったドラコは、テレサとの結婚を条件にする。
........
ブロフェルドとその組織にダメージを与え、作戦成功したかに見え、テレサとの結婚を手にし幸せの絶頂にあるボンドだったが......。
運命はそうはさせなかった.......。
*テレサ (ダイアナ・リグ)
*ドラゴ (ガブリエル・フェルゼッティー)
*ブロフェルド (テリー・サバラス)
ルイ・アーム・ストロングが歌う挿入歌 “愛はすべてを超えて” がテレサと重なり哀愁を添えている。
ちなみに、訴訟問題が原因で、犯罪組織スペクターは、本作以降封印されてしまった。
第24作 『スペクター』 (2015年) でやっと再登場する。
レーゼンビーは決して、世間が言うボンド失格ではない。
サディスティックな面を持つコネリー・ボンドとは一味違う、優しい、ジェントル・ボンドイメージを作り上げようとしていたに違いない。
しかし、007 カンパニーはそれを許さなかったのである。
さて、その後のレーゼンビーはどうなったか。
第12作『ユア・アイズ・オンリー』の担当を予定していたピーター・ハント監督がレーゼンビー・ボンドとしてオファーしたが、彼はそれを固辞してしまったのである。
結局、『ユア・アイズ・オンリー』の同監督担当の話も辞退した形になってしまった。
..........という情報もあるが?!?
レーゼンビーは現在、俳優業のほか不動産投資を営みながらも、元来の趣味スキー、カー、オートバイ、テニスなど楽しみながら悠々自適生活を満喫している。 (2017年現在78歳)
常に話題となり、目の離せない 007 次回第25作、クレイグ・ボンドが大本命であるも未だ時期も含めて決定には至っていない。
映画観てないで既にハラハラドキドキ!