宇多丸さんのオールタイム・ベストということで、ずっと気になっていた作品。前提知識ゼロで臨んだ。
前半1時間はマジで全く良さが分からないどころか、もろもろの描写がエグすぎて、いつ止めようかいつ止めようかという感じだった。
それでも彼がベストと言うからには何かがあるに違いないと我慢して見ていたが、中盤で主人公が走り始めてから、一気に面白くなった。
腕力と野蛮さで襲いかかる相手に対して、機転と工夫で対抗する主人公は、実に痛快で、映画的で、たしかに宇多丸さんが好きそう笑。
ジグザグ走行に始まり、ジャガーを使ったカウンター、カエルの毒、滝落ちの博打、底なし沼からの黒塗りジャガー、その泥でおびき寄せてアイツとの一騎打ち、クライマックスのアノ仕掛けの再利用まで、アイデアに溢れていて、ドキドキワクワク。
でも、切り落とされた首目線のアングルとかはマジでメル・ギブソン頭おかしいと思う。
自分はこれ完全なる創作物語として見ていたので、実際のマヤ文明との時代考証とか、ラストのアイツらの登場による宗教的な意味とかは、気にならなかった。
自分のオールタイム・ベストとは全然思わないけど、なるほど一度見ておく値打ちのある映画ではあった。