流石はティム・バートン …CGやVFXなど前作の作られた36年前よりも格段に進歩した映像技術が使えるというのに敢えて雰囲気も質感も前作に倣った映像に仕上げているのが嬉しい。何だかとても懐かしい気分。物語の方も母と娘の交流を織り込んでいて良い味があった。また、コメディとして笑いのツボが自分には合っていて、特に前作を見ていると一層楽しめるネタが盛りだくさんだった。ミュージカル映画張りな歌唱シーンや、ダンスシーンにも高揚。特にソウル・トレインの演出は本国の番組に馴染みない自分でさえウキウキ、ニヤニヤしてしまうくらい愉快だった。
マイケル・キートンの演技は相変わらず剽軽で最高。リディアを演じたウィノナ・ライダーは「おとなの恋は、まわり道」以来でちょっと久しぶり。やはり流石に若い頃のエキセントリックな印象は薄れたが、それでもなお美しく確かな演技力も健在。登場シーンで強烈な印象を残したモニカ・ベルッチ圧巻。ここ最近シュールではあるがシリアスな役処を何作も見続けてきたウィレム・デフォーがとても楽しそうに演じているのを見られたのも嬉しかった。アストリッド役のジェナ・オルテガが後を引き継ぐのかどうかは知らないけれど、是非是非「ビートルジュース ビートルジュース ビートルジュース」(続編)を見せて欲しい。
字幕翻訳は野口尊子氏。