すずき

ジャングル・ブックのすずきのレビュー・感想・評価

ジャングル・ブック(1967年製作の映画)
3.3
インドの山奥、狼に育てられた少年モーグリが主人公。
ある日、人間に恨みをもつジャングル最強のトラ、シア・カーンが森に戻ってきたとの報せが。
人間であるモーグリが殺されてしまう、と判断した狼達は、彼を人間の村へと返す事に決める。
かつて赤ん坊だったモーグリを狼に預けた黒豹のバギーラは、責任を持って彼を送り届けようとする。
だが、モーグリは森での生活を望み…

ディズニー長編アニメーション第19作。
少年モーグリと、黒豹バギーラと熊のバルーとの冒険を描く。
ディズニーお得意の、生き生きした動物のアニメーションが魅力。
主人公の少年も可愛らしい。あんまり狼感ないけど。

世話好きのバルーは、モーグリを熊として育てようとするのだけど、彼がシア・カーンに狙われている事を知り考えを改める。
モーグリは森にいてはいずれ殺される。人間の村へと連れて行くほかないのだ。
彼を愛するが故に、彼と離れなければならない。愛深き故に愛を捨てた男、バルーが悲しい。

ラスト、モーグリが唐突に手の平を返し、それまでのバルーの頑張りを無駄にするような結末。
モーグリは薄情なヤツのように見えるけど、この映画は「保護した野生動物を、事情あって自然に戻す」というストーリーの「あらいぐまラスカル」の、人と動物逆転バージョン。
この場合の人間はバルーやバギーラ達で、モーグリは野生動物なんだから仕方ない。
結局、性欲には勝てなかった、という話ですね。(身も蓋も無い)
それに、そんなモーグリを見てもバルーは満足そうだったので、悪くない後味だった。

しかしこんなツッコミは野暮と承知してるけど、狼がモーグリを拾って10年彼を育て続けるのは、狼の寿命的に無理あるよなぁ。
多分モーグリが成長するなかで狼は世代交代して、2代目が引き継いでいるのかな。