侍ゆう氏

絞殺魔の侍ゆう氏のレビュー・感想・評価

絞殺魔(1968年製作の映画)
5.0
「フライシャーの起こした革命」

この作品はノンフィクション。これがまた恐ろしい…
「ミクロの決死圏」リチャード・フライシャーの代表作と言える映画でSF史に残る伝説の映画。それに負けないくらいの衝撃…フライシャーは毎度毎度衝撃を与えてくれる最高の職人監督だな、と再度感心した。
十二人の怒れる男で有名なヘンリー・フォンダが名推理をする役で主演を演じた。ヘンリー・フォンダがカッコよすぎてヤバイです。裸の銃を持つ男で有名なジョージ・ケネディも忠実で賢いヘンリー・フォンダの相棒を熱演。絞殺魔は次々と絞殺を繰り返すのだが、警察は全く手を出さない…証拠があるのに誰か分からない。犯人のサイコパスぶりと犯人に類似した犯罪者なども絡んで事件は困難になっていく、透視能力者も使うが捕まらない犯人の賢さに驚かされる。とにかく今作は60年代スリラー映画の傑作に間違いないのは確かだ。

1960年ボストン1人暮らしの老婦人ばかりを狙う絞殺魔が現れた。彼は毎日1人ずつ殺していく…老婦人だけ殺すのかと思った矢先、絞殺魔は若い女性へ対象を変える。警察は翻弄され、州知事は頭のきれる"検事"ジョンが捜査の指揮を執るよう任命されたのだった……次々殺される女性、13人の被害。

何が凄いのか…殆どの要素が完璧な様な気がする。キャストは60年代初期から活躍してきた名優達、職人監督リチャード・フライシャーが創り出す独特の雰囲気、今作にしか絶対見られない様な画面構成、リチャード・フライシャーらしい緊迫感ある音楽、「ミクロの決死圏」以来の名作に間違いない。始まって2分で名作と確信した。何故かって?画面構成がマジでヤバイんだよ。口では説明できない。絶対無理。今まで観たことのない画面構成が全身を痺れさせる…リチャード・フライシャー好きには堪らない、映画好きには本当に堪らないと思う。特に古い映画好きなら。この画面構成のおかげで緊張感が一気に上がってる。絞殺魔を演じたトニー・カーティスはマリリン・モンロー主演の名作「お熱いのがお好き」で有名になった俳優。あんまり彼の作品を観ていないが今作で大好きになった。強烈なサイコパスの演技が後を引く、エロティックで狂乱、10番街の殺人、見えない恐怖を越えた最高のスリラー映画となっています。ぜひ観てほしい…
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